キャリアについてのよしなし

元エージェントの外資系採用マネージャーがキャリア形成のセオリーを解説します 毎週木曜を含む週1〜2回更新

転職活動で退職すべきか留まるべきかの判断

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今日はQ&Aをやりたいと思います。

この2ヶ月ほどの間に、Twitterを通じて2件ほど似たようなご相談をいただきました。質問文面をこちらで少しリライトした上で回答をシェアしたいと思います。

 

転職活動、退職すべきか留まるべきか

【質問内容】

いま、ある業界に絞った形で転職活動をしている者です。現職が基本的にいそがしく、その中でもあと1〜2週間は面接のための時間を割けるのですが、それ以降は当面難しい見込みです。

 

現職では有給も取りづらい環境で、どうすれば良いかと思っています。いっそ退職してしまい、じっくり活動するのもアリかとも思うのですが、今は貯金があまりなく生活費を考えると1〜2ヶ月程度しか持ちこたえられなそうです。

 

この状況で会社を辞めるべきか、ご意見を聞かせてください。

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退職することのリスクをどう考えるか

ご質問の状況においては、退職することのリスクやネガティブ面を客観的に見つつ判断することです。

 

判断用のフローチャートを作ってみました。

 

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順を追って解説しましょう。


①自分のマーケットバリュー的に最悪どこかは見つかりそうか

これめちゃくちゃ大事です!特に40代以降で扶養家族を抱えている人は絶対に考えておくべきです。

 

「どうしてもこれがやりたい!」みたいな理想を追いかけるの自体は全然OKだと思うんです。いくつになっても。

 

なんですけど、今の日本の転職市場ってブランクが半年以上空いてくるとマーケットバリューが毀損してきてしまって、書類の通過率が下がる傾向があります。簡単にいうと、ブランクが空きすぎることで「何か問題がある人なのではないか」という見られ方をしやすい。それで面接にも呼ばれづらくなります。(本来なら半年やそこらのブランク、その人の職務遂行能力とはあまり関係ないんですけどね)

 

そうするとそもそも「理想の仕事」「理想の業界」に入るより以前に、再就職自体が難しくなります。

 

したがって、会社を辞めて3〜4ヶ月くらいたった時点で内定が出てなければいったん理想を捨てて、どこでもいいから就職して次善の策にいった方がいいですね。特に中年以降の男性。今の日本社会は男性のブランクに厳しい傾向があります。

 

最初からそういう「理想からの撤退ライン」を決めておくとともに、撤退後に何かは見つかるだろうという確信を持っている状態にしてから辞めることが大事です。

 

この辺はエージェントに相談するとよいです。できればセカンドオピニオンももらいたいですね。

 

逆に特定業界・職種に極めて強いこだわりがあるようなら、よほど合格する自信がない限りは現職に残ってじっくり活動した方がいいでしょう。


②メンタル面、失業ストレスに耐えられるか

私の知る限り、多くの人が失業というステータスに強いストレスを感じます

 

そうするとストレス自体も問題なんですが、何より多くの人が面接のパフォーマンスを下げてしまいます。ちょっと前のめりになりすぎて企業側がひいちゃうんですよね。意外と現職が忙しくて、やや睡眠不足のランナーズハイ状態で面接行った方が良い結果が出たりします。

 

そんなわけでそういう面でのメンタルに自信がないなら現職にとどまったほうが良いかなと思います。

 

ただしフレックスとか有給とかを活用できるならともかく、面接に行くことすらままならないようだと難しいですね。私だったらいったんそのタイミングでの転職を諦めるか、なりふり構わずに看護とか介護とかのシリアスな理由をつけて面接に行くと思います。

 

まああまり誠実ではない理由づけかもなのですが、「やめたいけど忙しすぎて辞めることもままならない」ってかなり精神衛生に悪いので、下手をすると自分がメンタルやられてしまいます。自己防衛のためには致し方ないんじゃないでしょうか。

 

③資金面で半年くらいは生きていけそうか

資金面ですができれば半年、少なくとも3ヶ月くらいは生きていけるだけの貯蓄or収入があった方がよいです。経験則ですがマーケットバリューの高い、いわゆる「売れる」方でも納得できる転職先を見つけるのに数ヶ月かかることがあります。

 

貯金がない場合は失業保険です。普通は失業保険は3ヶ月待たないともらえません。

 

ただし残業が多いとかメンタル疾患になってしまって診断書も出ているとかの特定受給資格に該当する場合は待機期間なしで早々に失業手当がもらえます。

 

あとは退職金などもろもろ含めて半年くらいはボチボチ生き延びれそうなら資金の面からは退職しても問題ないです。

 

撤退ラインを決めて退職

ここまで見て大丈夫と判断できるなら、①で述べた撤退ラインを決めた上で退職してOKです。

 

逆にこのチャートでNoに入る場合、私なら現職にとどまってじっくりやります。


というわけで今回は割と慎重な回答を書きましたが、若いうちは多少高めにリスクをとってもなんとかなります。最後の資金面の判断をすっとばして辞めてしまっても誰か助けてくれるかもしれないですし。逆に年齢が上がってくれば慎重に慎重を重ねるくらいで良いと思います。

 

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