キャリアについてのよしなし

元エージェントの外資系採用マネージャーがキャリア形成のセオリーを解説します 毎週木曜を含む週1〜2回更新

キャリアについて20代のうちに決めるべきこと2つ【転職?留まる?】

こんにちは。今週は有給が取れたので例外的に週3回更新です。

 

さていかにもなタイトルをつけてみましたが、今回のテーマは「キャリアについて20代のうちに決めるべきこと2つ」です。

 

そんな時間制限付きで決めなきゃいけないことなんてあるのでしょうか。そしてそれは何なのでしょうか?なぜ20代なのでしょうか?

 

このあたりを採用マネージャー・元エージェント的な目線からお話したいと思います。

 

【目次】

 

20代が終わるまでに勝負する土俵を決める

以前のエントリーで、自由度の高いキャリアを実現しよう、という話をしました。

 

それにもつながる話なのですが、良いキャリア形成のために大事なのは20代が終わるまで、もっというとだいたい28歳までに適切な土俵=マーケットを選ぶことです。

 

ここは多くの人が間違えるところですが、しゃにむに自分の市場価値(マーケットバリュー)を上げるための努力をするより、まずは土俵選びが大事です。ここが合ってれば大体うまくいきます。

 

で、土俵=マーケットをどう選ぶかなんですが、

 

ジョブマーケット(就職・転職市場)は以下のように区分することができます。

 

職種×業界×土地(住む場所)

例を挙げてみましょう。

  • 法人営業 × 金融業界 × 首都圏
  • 経理 × 住宅業界 × 北海道

こんな感じです。

 

そして、職種業界土地の3要素のうち、職種土地(住む場所)28歳までに選びましょう。

 

ではなぜ職種と土地を選ぶことが大事なのか?なぜ28歳なのか?そのあたりを解説していきたいと思います。


なぜ28歳までに住む場所を決めるべきなのか?

28歳までに決めるべき決定的に重要なポイントのひとつめが、土地=住む場所です。

 

おいおい別のエントリーで詳しく書く予定ですが、住む場所の選択は年収に決定的に影響を与えます。

 

一方、多くの人は結婚し配偶者を得たあとだと(相手の仕事や家族、持ち家などの兼ね合いで)土地を動きづらい状況にあることが多いです。

 

ちょうど28歳〜34歳の間くらいで結婚する人が多いことを考えると、なるべく28歳くらいまでに住む場所の選択は済ませておくことが望ましいでしょう。


なぜ28歳までに職種を選択するべきなのか?

28歳までに決めるべきもう一つの要素は職種です。会社で働く場合、世の職種はおおまかに4つに分類することができます。

 

  • フロントの職種(営業・販売・コンサルタントなど、顧客と直接接する仕事
  • ミドルの職種(マーケティング・ロジスティクス・生産管理など、顧客と接しないがビジネス上の競争力に影響する職種
  • バックの職種(経理・人事・総務・法務・秘書など、ビジネス上の競争力に直接は影響しない職種。バックオフィスともいう)
  • イノベーション職種(プログラマーや研究開発者、デザイナーなど、ビジネスのタネを生み出す職種

 

この4つのどれでいくのかを28歳までに選びましょう

なぜかというと、この4つのどれを選ぶかによって

  • 最適なマーケットバリューの向上戦略
  • 昇進のポイント
  • 給料決定のロジック
  • やりがい

などなど全て違ってくるからです。

 

なので、自分の性格や目的に応じて職種を選ぶ必要があります。

 

それでなぜ28歳なのかというと、これら4つのカテゴリーをまたぐ転職ができる年齢上限がだいたい28歳だからです。

 

もう少し説明します。

 

「28歳=第二新卒マーケットの年齢上限」までにFMBIから職種を選ぶ

ここでは便宜上、この①をのぞく4つ(Front、Middle、Back、Innovation)の頭文字をとってFMBIと呼ぶことにします。

 

転職市場は基本的にFMBIの4つのカテゴリーによって分断されています。経験がないかぎり、フロント職種のマーケットからバック職種のマーケットには移れないわけです。

 

なんですが、28歳くらいまで(業界や景気によっては25歳くらいまで)であれば「未経験OK」で応募できる仕事があって、こういう求人群がちょっと特殊なマーケット、「新卒・第二新卒マーケット」を形成しています。

 

このマーケットにアクセスできる限りはFMBIの区分を超えたジャンプができる。つまり未経験営業・未経験経理といった職種に応募できます。

 

ちなみにこの「未経験OK」の募集ですが、年齢制限は明記されていないことが多いです。法律でそうなってます。そうなってるんですけど、実際は日本では年齢による足切りが横行してしまっているのでだいたい28を超えると不合格になります。

 

繰り返しなんですが、FBMIはそれぞれ全然ちがいます!それぞれのカテゴリーに向いているタイプもバラバラですし、必要なキャリア戦略もちがいます。

 

だからこそ、25~28歳という第二新卒としての年齢上限に達するまでに、自分がFMBIのどこで勝負していくのかを見極め選択することが重要、という話です。

 

ちなみに年齢制限を超えてもカテゴリーを超える裏技みたいなのがあって、それは後日紹介します。 


職種の違いがキャリア形成上どう影響するかーキャリアの安定性への影響

さてFMBIの各カテゴリーにどのような違いがあるのか、ということを話していきます。

 

これはかなり色々なポイントがあるのでこのエントリーだけでは説明しきれませんが、まずは最も重要な点を2つ挙げますね。

 

一つは業界をこえてツブシが効くかどうかです。「業界横断型か、特定業界特化型か」とも言えます。

 

バック・ミドル職種業界横断型です。基本的に何歳になっても業界を超えた転職ができます。人事のプロは飲食業界でもIT業界でも活躍できます。

 

フロント職種(営業・販売など)は、キャリアの途中までは業界横断型ですが、だいたい35歳あたりから業界に特化する傾向にあります。

 

実際に転職サイトで検索すると「業界未経験OK」な営業職の募集がたくさん見つかると思います。これらはだいたい30代前半~中盤位までが上限になっていることが多く、それ以降は多くの場合業界経験が必要になってきます。

 

イノベーション職種スタートからほぼ業界特化型です。たとえば「バイオの研究者」なら、ヘルスケア・ライフサイエンスに関連した企業や団体等で生涯働いていくことになります。

 

図にすると以下のような感じです。

 

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では、これらの違いがどういう意味を持つのかというと、

 「キャリアの安定性」

が変わってきます。例えばバックのプロ秘書なら、たとえばIT業界が不景気でクビになっても、多い医療機関なんかで働き口を見つけることができます(医療系は不況につよいので)。

 

一方で景気変動の大きい典型的な業種である半導体業界の研究開発職(I、イノベーション)のばあい、半導体業界が落ち込むと再就職口を見つけるのが難しくなります(その分こうした業界は好景気時の年収が非常に高かったりするのですが)。

 

「業界選びが年収に影響する程度」も大きく異なる

職種選択は年収にも大きな影響をもたらします。とくに「業界選びが年収に影響する程度」の大小が職種によって異なってくるのです。

 

ちょっとこうやって文字で書くとわかりづらいのですが、説明します。

 

普通、会社は競争力の源泉となっている部門に最も優秀な人材を置けるようにします。なんで、そうした部門には会社のお金を優先的に振り向けます。

 

なのでそういう職種ほど会社がもうかっているときのその恩恵を得やすい。

 

(ただしそれがどの程度なのかは結局給与制度次第です。総合職型の制度であれば味付け程度になるし、外資のような専門職型の制度下では同じ会社の中でも思い切り差がつきます)

 

このことを踏まえてみると、

バックの職種は通常会社の競争力を大きく左右しません。

 

会計処理が正しく行われているかは大事です。総務が良いオフィス環境を整えているかも大事です。ですがこうしたバックの仕事は直接商売をつくりません。

 

ですので通常バックに対する給与原資の振り分けはあとになり、フロント職種やイノベーション職種と比べて社内で給与が低く設定されることが多くなります


ミドルの職種会社によりけりです。マーケティングとかロジスティクスとか、会社によってはここが競争力の源泉になりえます。ならない会社はならない。なので会社選びが大事。

 

そのため業界による差は小さいか、中程度となります。このカテゴリーでキャリア形成する場合、例えばアマゾンやZOZOのロジスティクスやP&Gのマーケティングといった、自分の職種が強みになっている会社に入るとおいしいです。

 

フロント給与原資が優先的にまわってきやすいです。サービス系の会社はここが競争力の源泉になりますし、コンサルなんかもそうですね。なので成果を出しさえすればこの職種は高い年収を得ることができることが多い。

 

一方でこの職種は年齢とともに業界ごとに専門分化されていき、35歳あたりで業界を超えた移動ができなくなるという特徴があります。

 

したがって年齢とともに業界選び次第で年収に大きな差がでてきます。給与原資がしっかりまわせるくらい、利益率の高い業界にいると年収がぐんぐん高くなります。業界による差は中〜大です。

 

最後にイノベーション職種ですが、技術開発重視型のメーカーとか自社プロダクトを持つIT・ソフトウェア企業なんかでは、ここが最も会社の競争力を決定的に左右します。

また業界を超えた転職が起きづらい、業界ごとに分断されているカテゴリーなので、同じイノベーション系の職種でも年収はバラバラです。

 

そのため、就職時点での業界選びが一番重要なのがこのカテゴリーなのです。

 

まとめ

ということでまとめると、

  • 28歳までに決めるべきことは①住む土地と②職種
  • 土地の選択へ年収への影響が大きい。一般的な適齢期までに土地の選択をすませる
  • 職種の選択は安定性や、業界選びの年収への影響への大小という点から重要

ということでした。

 

次回はこの続きとして、FMBI各職種の違いをさらに深掘りして解説していきたいと思います。

 

関連記事です。30代以降でもFMBIをまたぐ転職の実現の仕方について。

 

 

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