キャリアについてのよしなし

元エージェントの外資系採用マネージャーがキャリア形成のセオリーを解説します 毎週木曜を含む週1〜2回更新

(プロが教える年収アップ戦略④)未来のマーケットバリューに継続投資し、好況時に回収する

年収アップ戦略の4回目です。過去の記事はこちら↓


1 基本的な考え方、年収上がり幅÷投下労力を最大化する

2 GAFAの儲けに乗っかって年収を上げる方法

3 東京で消耗する価値とは?

 

前回・前々回と、主に過剰利益=レントから生み出される「上げ潮」に乗ることで年収をアップしていく戦略について話しました。

 

さて今回はガラっと変わって人間の心理から生み出されるマーケットの歪みを活用した年収アップの方法を取り上げます。先に断っておくと今回はちょっと内容が難しい(というかカタい)のですが、ある意味一番誰でも取り入れやすい戦略なのでぜひ読んでみてください。

 

普通以上の年収を得ている人は、◯◯◯がうまい

私はもともと2000年代前半に転職エージェントとしてキャリアをスタートし、今は企業採用担当なのでとにかくずっと人の採用とかキャリアに関する仕事をしているわけです。

 

そうすると、だいたいの場合【学歴】と【最初の会社】、それにいま何歳かということを聞けばだいたいその人の年収が予想できます。日本はこの2つが年収の強力な決定因子なので、予想はさほど難しくない。

 

ところが面白いことにときどき、この予想を大きく上回る年収を得ている人がいます。それでなぜだろうと思って色々聞いてみて分かったのは、多くの人が共通して「自己投資とその投資回収がうまい」こということです。

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自己投資を年収アップにつなげるには

さて自己投資とはそもそも何でしょう?

 

経済学では投資とは、リソースを投じて資本=生産能力を成長させることを指します。ということは、人間の場合なら自分の人的資本=生産能力を高めるなら自己投資だし、高めないならそれは自己投資にはならなくて趣味なわけです。

 

枠|自己投資とは人的資本=生産能力を向上させること|

 

では自己投資をさらに年収アップにつなげるにはどうすればいいのか?

会社員の年収はマーケットバリューと企業ごとの人事制度で決まり、
マーケットバリューは人的資本(生産能力)とその需要の大小で決まります。

 

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なので基本的には自己投資をしてスキルや知識を高めれば年収Upの期待値は上がりますが、実際には需要や人事制度にも影響されます。

 

ですので自己投資を年収アップという形で回収するには、需要や人事制度を考慮した戦略が必要です。

 

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自己投資が失敗するケースの多くは、この投資回収の戦術がないことに起因します。
(この点はこのエントリーの後半で回収します)

 

多くの人が気づいていない、正しい自己投資戦略

ということでここから投資戦術と回収戦術、2ステップに分けて解説します。

 

まず前提として重要なのは、(普通の会社なら)会社も人に投資して社員の生産能力アップをこころみるということです。これを仮に会社投資と呼びます。

 

人間がスキルとか知識をつけるにはインプット(学習)が必要ですから、研修したり、下手でも新しい業務をやらせてみたりしてインプットさせます。それでしばらくすると能力が上がってたくさんアウトプットがうまれ、投資回収できる。

 

ところが会社も人が運営するものなので、能力が上がりきった人にタイムリーに追加でインプットできなかったり色々非効率が存在するするわけです。

 

これ別途詳しく書きますが、そんなわけで社会人は総じてインプットとアウトプットのバランスが取れていません。

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こんな風に、ある程度成長しきって停滞している時期がかならずきます。

 

その期間は自分の人的資本=生産能力が強化されません。ところが日本の場合年功序列で給料(=人的資本の利回り)は上がるので、意識しないと自分の人的資本が伸びてないことに気づきません。

 

本来はここでインプットを増やして人的資本を高めるべきで、こういう時が自己投資すべきタイミングです。だいたいの人はこれをしばらく放置するので普通の年収になります。

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では具体的にはどうすればいいかというと、インプットを増やすような行動をとればOKです。勉強したりもそうですし、異動・転職で新しい仕事にチャレンジするのも自己投資になりえます。自分で勉強することについては別のエントリーで戦術をまとめているのでこちらをどうぞ。

 

逆に会社が自分に投資してくれている時というのは通常負担がかかっているので、この時に張り切りすぎて新しい勉強を始めたりするとパンクします。

 

ここまでをまとめるとこういうことです。

Step1. インプットとアウトプットのバランスを注視し、人的資本向上を維持し続ける

 

年収アップのキモは投資回収にある

さてここからが年収アップで大事なところです。年収アップのためには以下2つの方法で、適切に投資回収することが重要です。つまり

 

需要の高まっているタイミングでマーケットに出る

 

ということです。

 

これすごい大事な点ですが自己投資の成否は回収するタイミングに左右されます。もっというと、どんな分野で自己投資するかよりいつ回収するかの方が年収に影響します。私の印象だとここが抜けている人が多いです。

まず上で一度だしたこの図のように、

 

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マーケットバリューは人的資本と需要で決まります。そこで人的資本を普段から高めておき、需要が高まったタインミングできちんとマーケットに出しましょう。つまり転職です。すると非常に良い値がつきます。

 

好況時に転職すると、年収を上げやすい。言い換えると、ちゃんと好景気時に動いておくことが大事なのです。私の経験上、普通以上に年収上がってる人は機を逃さない、ある意味ミーハーな人が多いです。

Step2 好況時にマーケットに出て投資回収(Exit)の機会を探る

 

投資モードの会社を選択する

前回・前々回にも紹介しましたが、会社員の年収には

年収は給与原資×分配方法で決まる

という仕組みがあります。

 

これ、原資を因数分解すると、
給与原資=利益×労働分配率(利益のどれだけを社員に回すか)
なので、
①は以下のように置き換えることが可能です。

年収は利益× (A)労働分配率× (B) 分配方法で決まる

 

このうち、(A)分配率と (B)分配方法は経営者の判断が絡むので、人間の心理が作用します。ここをつくのが年収アップの鍵です。

 

成長して心理的に投資モードになっている会社の場合、労働分配率が高めになります。また外部からプレミアム(上乗せ分)を払っても採用しようとします。

 

そんなわけで成長企業だとマーケットバリューがより高く年収に反映されます。

 

実際、同じ年収幅の求人2つでも、成長中の会社は上限を超えるようなオファーを提示しますが、そうじゃない会社だと弱気な金額提示になります。

Step3 成長中の会社に転職することで、プレミアムの獲得を狙う


3つ目の戦略ー未来のマーケットバリューに投資し、好況時に回収する

まとめると、こういうことです。

 

Step1 インプットとアウトプットのバランスを注視し、人的資本向上を維持し続ける
Step2 好況時にマーケットに出て投資回収(Exit)の機会を探る
Step3 成長中の会社に転職することで、心理的なプレミアムの獲得を狙う

 

つまり、未来のマーケットバリューに継続投資し、好況時に回収するということですね。

 

これが上手にできると普通以上に年収が上がります。

 

もう一点、追加投資から得られる総収益は期間が長いほど高まりますから、自己投資は早いにこしたことがないんですね。なので停滞しているなと思ったらなるべく早くインプットを増やすことを考えることです。それで生涯年収が全然変わってきます。

 

ということで年収Up戦略4回目でした。あと2回位予定してますので引き続きよろしくお願いします。

 

 

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