日本企業は離職期間が長い候補者をいやがります。私がエージェントやってた頃もそうですし、今もそうです。特に地方はこの傾向が強めではないかと思います。
一般的に、産休・育児や留学といった「ブランク期間中に何をしていたのかが明確」な場合はあまり不利になりませんが、シンプルに転職活動をしていました、みたいな理由だと長いブランク自体が転職活動上不利になるのです。
今日はこの離職間(ブランク)について掘り下げたいと思います。
どれくらい離職期間が続くと転職活動で不利になるのか?
では何ヶ月以上の離職期間で長すぎとみなされ、転職活動に不利になるのでしょうか?私が人事・エージェント双方で経験した感覚でいえば、3ヶ月以上空くと書類通過率がちょっと下がりはじめ、6ヶ月以上空くとかなり厳しくなってきます。
そんなのおかしいじゃないか、という声はもっともだと思います。私自身はあまり気にしません。
私の勤め先は外資系企業ですが1年くらいブランクが空いていても気にせず面接します。
人にはそれぞれ事情があるわけですから、蓄えが許すなら職歴に穴をあけようがその人の自由です。世の中には介護で休む人、単に疲れたので休憩する人、世界一周に旅立つ人など色々な人がいます。
では逆になぜ日本企業は長期的なブランク(離職期間)を嫌がるのでしょうか。
なぜ日本企業は長期的なブランク(離職期間)を嫌がるのか
私がエージェントにいたころにクライアント先から聞いた典型的な理由はこんな感じです。
①ブランクが空いた人=売れ残り論
まず第一に離職状態のまま数ヶ月経過した人は「売れ残り」である可能性が高いという見方です。
その人が過去応募した中には面接まで行った企業もそれなりにあったでしょうが、今も離職中ということは面接で不合格になったということ。他社がわざわざ面接をして不合格を出している候補ということは、何か難点があるに違いない・・・こういう理屈です。
まぁいいがかりに近い内容ではありますが、極端に忙しい会社では片っ端から面接しているヒマがないため上記の理屈でもって足切りするケースがあります。
なおこの理由説明ではその人が離職期間中に転職活動をしていたことが前提になっていますが、親の介護に謀殺されるケースなど、離職中にぜんぜん動けないということもあります。そういう意味でやはりあまり良い足切りの理屈には思えないですね。
②ブランクが空いた人=リスクマネジメントできない論
また一方でもう少しメタ的な視点でブランクを嫌がるケースもあります。つまり、離職期間の長期化そのものが問題ではない。ただ今の日本では長いブランクをあけると不利になることはネットで調べればいくらでも分かる。そういう環境下で不用意にブランクを長引かせてしまうリスクマネジメント能力のなさが気になる、という理屈です。
これが正しい議論かどうかはともかくとして、たしかに今の日本企業の長期的なブランクをいやがるというある種の風潮自体は一朝一夕には変わらなさそうですから、個人としてはその前提で動いた方が良さそうです。
このことは転職活動をはじめる際、どのくらいの数のエージェントや求人サイトに登録すべきかというリソースマネジメント(下記リンク参照)や、
どのタイミングで内定承諾し、転職活動を終了させるかの判断にも関わってくるので、とくに会社をやめてから転職活動をしようと考えている人は念頭においておくべきだと思います。