キャリアについてのよしなし

MBAで元エージェントの外資系採用マネージャーがキャリア形成の戦略と定石を解説します 毎週木曜を含む週1〜2回更新

10月から失業保険を受けやすくなります

今日はちょっとした時事ネタですが、10月から失業保険を受給しやすくなります。これまで、自己都合退職した人の場合、失業手当をもらえるまでの期間が3カ月だったのが2カ月に短縮されます。

 

そもそも転職経験のない方なんかとくに、えっ失業保険って会社辞めたらすぐもらえるんじゃないの、と思ってる方も多いんじゃないでしょうか。

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失業保険の仕組みはちょっと分かりづらいので解説すると、退職には自己都合退職と会社都合退職があります。

 

会社都合は解雇とか倒産、早期退職に応募したケースなどに限定されるので、転職とかは基本的に全部自己都合退職です。

 

会社都合の場合、短い(7日間)待期期間とよばれる謎の期間だけ待てばすぐに失業保険を受給できます。

 

ところが自己都合の場合、例外を除いて3カ月待たないと受給できませんでした。これを給付制限といいます。この給付制限が10月から3カ月から2か月に短縮されるというわけです。

 

ちなみに例外を除いて、と書きましたが自己都合でも医師の診断書だとか長時間残業をしていたことがわかる書類といった、「労働環境が劣悪だったこと」を示唆する証拠があれば給付制限を免除されたりします。

 

さてなぜこんな給付制限があるのかといえば、雇用保険に頼った安易な離職を防ぐため、さらいえば失業保険の優先順位が会社都合の失業者のサポートにおかれているからでしょう。

 

要するに世界的にみて解雇しづらく雇用の安定性の強い日本において、わざわざ「自らの意思で」失業状態になる人を税金で救う必要があるのか?という感覚があるのだと思います。

 

まぁこれはもっともと言えばもっともな面もあって、自分の意思で退職するのなら予め生活費を工面しておくことも難しくないでしょうし、もし給付制限がないと転職のたびに入社日をわざわざ少し先に設定して失業保険で遊んで暮らす人が量産されそうです。

ただ休みたいだけなら自分のお金でやってくださいよ、ということでしょう。

 

一方であまり給付制限の期間が長いと、転職のリスクを取りづらくなる面もあります。実際問題、とくに若い人であれば薄給すぎて3カ月分の生活費を貯めることすら苦しいという人もたくさんいるでしょう。

 

また安易な離職を防ぐといいますが、転職が一般化した現在、何が安易な転職で何がそうじゃないのか、というのは微妙な線引きでもあります。

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私がエージェントにいた時の経験では、内定承諾から入社日まで2か月先くらいまでなら待てるけど、それ以上だとNGという会社も結構多かったですから、今回の2か月への短縮というのは結構妥当な期間なんじゃないかなという気がします。

 

ただし、以前にも書いてきているようにブランクが空きすぎると日本の転職市場では非常に不利になりますので、あまり失業保険に頼りすぎないようにしたいですね。やはり基本的には今も退職から3カ月以内に内定先を確保するのが良いように思います。

 

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