キャリアについてのよしなし

MBAで元エージェントの外資系採用マネージャーがキャリア形成の戦略と定石を解説します 現在は不定期更新

薬事申請のキャリアと転職について

f:id:career-yoshinashi:20210911153439p:plain

今日は薬事申請ことReguratory Affairs、略してRAのキャリアと転職戦略について解説します。

ところで薬事法の名称が薬機法に変わって以来、どうもこの職種の呼び方がはっきりしない印象があるんですが、ここでは差し当たり薬事とか薬事申請と呼ぶことします。薬事と呼ばれるのはなんとなくスッキリしない方もいらっしゃるかもしれないですがご容赦ください。

 

その薬事申請ですが、以下の分類ではミドルオフィスに該当します。ヘルスケア業界だけに存在する特殊なミドルオフィス職種ですね。

f:id:career-yoshinashi:20201128134215p:plain

このあたりの分類は下記記事を参照ください。

キャリアについて20代のうちに決めるべき、たった2つのこと - キャリアについてのよしなし

ミドルオフィスは割と安定しやすく、かつ年収も一定以上を狙いやすいカテゴリーです。

この仕事への就き方としては、新卒で薬学部を卒業した人たちが就職したり(大手が多い)、開発系や安全保証などから異動してくるケースなどがあります。

薬事申請(RA)のキャリア戦略

ではまず全体的なキャリア戦略から考えていきましょう。

職種軸ーそもそも薬事を専門にしたい?

まず最初に強調しておきたいのですが、薬事としてどう成功するかを考えるより先に、そもそも本当に薬事を自分の専門にしたいかを一度自問するべきです。

 

薬事の場合、臨床開発や品質保証といった職種と親和性が高く、社内移動や転職でのジョブチェンジが可能です。若ければMRや医療機器セールスに移ることできるでしょう。

www.career-yoshinashi.com

 

ただ問題なのはそれぞれ結構性質が異なる仕事だということです。向いているタイプがかなり違います。だからまずは自分が薬事を長く続けられそうか、また薬事に向いていると思えるかを考えましょう。いつも言っていることですが、キャリアはまずは土俵選びが大事ということです。

 

その上でやはり薬事でキャリア形成しよう、と明確に思えるなら薬事としての市場価値を積み上げていきましょう。この点はまた後で触れます。

業界軸ー実は選択肢があるヘルスケア業界

一口に薬事といっても、実は製薬業界医療機器業界に分かれます。そしてこの2つの業界ではそれぞれ異なる知識・スキルが求められます。

またヘルスケアといえばやはり製薬がメジャーですが、これからは医療機器の方が成長性が高いと考える専門家もいます。またCROにもコンサル部門などの薬事経験を生かせる仕事があります。

こういった業界軸についても早めに考えておくとその後のキャリアの展開が有利になります。というのも、やはり若いうちであれば業界をまたぐ転職が可能だからです。逆に年齢が上がってくると不利になりやすいですね。

年収と市場価値について

薬事はしっかりした市場価値をつければ高水準の報酬を狙いやすい職種です。とりわけ外資などであれば1000万の大台に乗せるのも難しくないと思います。

ヘルスケア系は莫大な先行投資が必要なタイプの製造業です。なので年収と会社サイズが結構相関します(これは開発系や安全保証にも言えます)。

高年収につながる業界選び - キャリアについてのよしなし

 

なので高年収を狙いにいくなら大手を狙いにいくと良いのですが、薬事は安定職種かつ枠が少なめなのであまりポジションが出てきません。

それで何か魅力的なポジションが出てくると複数の候補者で取り合いになります。

 

したがって少ないチャンスをモノにできるような市場価値(マーケットバリュー)を身につけることが重要になります。

 

明確な武器になるのはやはり英語力です。

ただこの仕事をやっていると皆多かれ少なかれ英語はできるようになってくるので、同世代の他の人と同じ位できる、ではダメですね。

20代なのにビジネス会話力があるとか、30代なら英語を使って成果を挙げた経験、たとえば多国籍メンバーのプロマネをしたとかが欲しいです。

市場価値(マーケットバリュー)はあくまで相対的なモノなので同世代の他の人たちと比べてどうかを意識すると良いです。下記の記事も参考にしてみてください。

www.career-yoshinashi.com

よく分からなければとりあえず仕事を頑張りつつ英語力を上げる努力をしておけば当面はOKです。

 

薬事(RA)の転職戦略

上述したようにこの職種はそもそも業界全体の就業者数が少なく、当然ですが求人数も常時少なめです。なので、本当に魅力的な案件が出てくるまで応募しないとか、どっしり構えると良いと思います。

 

ちなみに薬事は広告サイトに求人が出てきづらいです。私も今リクナビで調べてみましたがいわゆるメーカーの薬事申請業務はあんまり出てないですね。特に外資は広告を出さないことが多いのでなおさらです。

なので信頼できる良いエージェントを見つけるか、スカウトサイト(ビズリーチなど)に登録してじっくりスカウトを見ていくのが良いと思います。

 

エージェント選びですが、臨床開発の時に紹介したエージェントと概ね同じような面々で問題ありません。

・リクルートエージェント
・JACリクルートメント
・DODA
・パソナキャリア
・APEX(エイペックス)
・医療転職.com(エリメントHRC)

ケース別のおすすめ登録先も同じですが、こちらにも書いておきます。

【20代・はじめての転職】

リクルートエージェント(解説公式サイト

DODA(公式サイト

パソナキャリア(解説公式サイト

上記から2社くらい登録でよいかと思います。パソナキャリアは特に女性におすすめです。

【外資系を狙いたい】

JACリクルートメント(解説公式サイト

APEX(公式サイト

このほか外資狙いに適したエージェントは色々あります。Springとかも良いと思います。

【医療機器メーカーも考えたい】

医療転職.com(エリメントHRC)(解説公式サイト

JACリクルートメント(解説公式サイト

リクルートーエジェント(解説公式サイト

 

各エージェントの解説記事も参考にしてみてください。

関連するカテゴリーです。

www.career-yoshinashi.com

(C)2019 career-yoshinashi All rights reserved.

)