臨床開発に関連した職種について解説したいと思います。
今回はとくに代表的な職種であるCRA(モニター)とスタディマネージャーのキャリア戦略と、おすすめ転職エージェントを解説しましょう。
CRAとスタディマネージャーの特性を理解しよう
臨床開発関連職はヘルスケア業界のみに存在する職種で、ミドルオフィス職種とイノベーション系の職種の間くらいの性質があります。なので給与水準が結構高く、ある程度の年齢までは製薬メーカー・医療機器メーカー・CROといった業界をまたぐ転職が可能です。
* ミドルオフィスの特徴は以下に解説しています
さてこの臨床開発分野で満足度の高いキャリア形成をするためにはどうすればよいのでしょうか?
30代前半までに自分のフィールド(土俵)を選ぼう
まず大事なのは、
・メーカーかCROか
・臨床開発特化でいくか?RA(薬事)も経験するか?
・製薬か医療機器か
といったところをおそくとも30代前半くらい、できれば20代のあいだにに固めておくことです。
上記の記事でも書きましたが、自分にあった土俵を選ぶというのが一番大事です。少し具体的に解説しましょう。
メーカーかCROか?
特にCROの方は、このままCROに残るのかそれともメーカーサイドにうつるかを早めに決めましょう。これはできれば20代の間が望ましいです。
やはり一般的にはメーカーが人気です。ただしそもそもメーカーとCROではやりがいのポイントが全然違います。メーカーは自社製品の上市に直接貢献できる一方、CROはさまざまな治験に携わることができます。
また求められる適性も異なります。基本的にはこんな感じです。
メーカー・・・プロトコールやCTDといった難易度が高い業務への適性
CRO・・・決まった手順を正確にこなすルーティーンへの適性
自分はどちらがやりがいがあるか。向いているのか。それを早めに見極めるべきです。
また少し毛色が違うのでここではとりあげませんが、CRAの中にはSMOでのCRC業務に関心のある人もいるでしょう。その場合も早めに見極めてうごくべきです。
臨床開発特化か、RA(薬事)も経験しておくか?
ある程度RAも経験しておくと、単純に応募できるポジションが増えるため安定感が高まります。またRAもわかる臨床開発(あるいは臨床開発もわかるRA)というのも市場価値的にプラスでしょう。
製薬か医療機器か
現在医療機器メーカーに勤めているものの製薬業界に関心がある場合も早めに動く方がいいでしょう。
逆に製薬から医療機器への転職は一般的には少ないです。
しかし医療機器メーカーにも有望なパイプラインをもち高度なスキルを必要とする会社が結構あります。医療機器は内資・外資問わず小規模な会社が結構あるため、スタディマネージャーがバリバリにプロトコルを書いてたりするんですね。臨床開発に臨床企画(クリニカルサイエンス)の業務が含まれるイメージです。やはり臨床企画ができれば市場価値はかなり高いです。
明確な強みを獲得しよう
市場価値を高めていくためには自分の専門領域における強みを獲得しておくことも重要です。
基本的な考え方は下記のリンクを参照してください。
臨床開発分野においては、現在のトレンドを考えると
・大規模なグローバルスタディーの経験+英語力
・領域専門性(癌領域など)
といった強みは有望です。とくに領域専門性については、
・自分のモチベーションに合致しているかどうか
・現在および将来にわたり有望な領域かどうか
を自分なりによく考えて見極めましょう。
ほかにもスタディマネージャーやラインマネージャーの場合、コミュニケーション能力・ピープルマネジメント能力・ベンダーマネジメント能力といったスキルをレジュメでアピールできるような経験をつめるとよいですね。
CRAならグローバルスタディー経験のほか重要な医療機関を担当した経験があるとよいです。また面接では「症例回収率を高めるためにどのような工夫をしたか」といったことが話せると良いアピールになります。
臨床開発スタディマネージャー・CRAのおすすめ転職エージェント
専門家視点でおすすめエージェントをいくつかピックアップしました。
・リクルートエージェント
・JACリクルートメント
・DODA
・パソナキャリア
・APEX(エイペックス)
・医療転職.com(エリメントHRC)
この中でパターン別におすすめ登録先はこんな感じです。
上記から2社くらい登録でよいかと思います。パソナキャリアは特に女性におすすめです。
外資系といえばやはりJACは強いです。またあまり有名ではないですがAPEXはこの領域にとても強いエージェントなのでおすすめですね。
医療転職.comは医療機器メーカーへの転職に特に強みを持つエージェントです。ここはどちらかというとセールスが強い印象がありますが、臨床開発関連の求人も数をもっています。