年収が高い業界をどう見極めればいいのか?就活や第二新卒・バックオフィスの転職など、業界選びの選択肢がたくさんある時、何を基準に選んだらいいのか?出世に興味ない人はベンチャーに行った方が良いって本当?今日はこういった疑問に答えます。
【目次】
- はじめに−高年収につながる業界とは
- まずは労働生産性の高い業界に潜り込もう
- それがダメならあとから生産性高いゾーンに移る
- あえて労働集約型の業界でいく場合には
- 出世に興味がないスローキャリア派なら、むしろベンチャーにいくべき?
はじめに−高年収につながる業界とは
下記のエントリーでお話ししたように、私は基本的に若い人でやりたいことが分からないなら、とりあえず高年収を狙いにいくことをお勧めしています。
すくなくとも生活に困らない年収を確保して、他の要素はあとから満たせないかを考える方が簡単だからです。
今回はそこから一歩進んで、就活とかである程度はたらく業界を自由に選べるとき、高年収を実現するためにはどういう業界をえらべば良いのかを考えていきます。
もっというと、
・第二新卒
・バックオフィス職種(経理財務・人事・総務・法務など)
に該当する人は業界選択の自由度が高いので、そういう人たちに業界選びの選択軸を提供しましょう、というのが今回のテーマです。
現在書き進めている【プロが教える年収アップ戦略】のシリーズはどちらかというとある程度経験をつんだ社会人向けなので、今回はそれと対になる内容という感じです。
まずは労働生産性の高い業界に潜り込もう
高年収につながる業界を選ぶ上で、まず大事なのは
社員ひとり当たりどれだけ利益が出てるか(現時点での労働生産性)
という軸です。基本的に年収はこれで決まります。
当然「労働生産性」が高い方が年収が高くなります。これの高い業種の究極系は例えば今ならカリスマYoutuber などでしょうか。
まぁ私ふくめて普通の人はカリスマYoutuberになれないのでおとなしく普通に就職することになると思います。
この時まずはこの「労働生産性」が高い業界を目指すべきなのですが、
残念ながらそういう業界は人気が高いので入れないこともあります。
それがダメならあとから生産性高いゾーンに移る
なのでそういう時は次善の策として、将来的に下半分(労働生産性低い)から上半分(高い)のゾーンに移る戦略にシフトすることになります。
このとき大事なのが、
今後、利益を伸ばすのにどれだけ人手がいるか(労働集約度)
という第二の軸です。
この二軸で様々な業界を分類するとこんな感じ。
この「労働集約度」は会社の成長にともなって、おいおい給与水準も上がっていくかどうかにかかわります。
労働集約度が低いと、会社が成長し利益が増えていくとき、さほど追加の人手がいりません。山分けできるので給料が伸びます。
この業界の代表格はソフトウェアです。もしベストセラーのアプリをひとつ当てることができれば、基本的にはちょっとの追加人員だけでどんどん利益が伸びます。製薬とかもここに入ります。
つまり労働集約度が低いと、会社の成長とともに労働生産性が高まる(=上記の表の上方に移動する)のです。勝ち馬に乗りさえすれば、勝手に給料が上がるということです。
したがって、もし労働生産性の高い業界(高年収業界)に入れなかった場合、次善の策としてせめて労働集約度の低い業界に入る、というのが大事なのです。(※下図参照)
あえて労働集約型の業界でいく場合には
さて、そうは言っても自分の入りたい業界がソフトウェアとは限りませんよね。希望業界が②や④のように労働集約的だった場合はどうすればいいでしょうか。
こうした業界は人を増やさないと利益を増やせないので、成長してもその分の儲けが新規人員に吸収されます。たとえば飲食業なら店舗の数だけ人が必要になります。
これだと生産性が高まらず、④の会社は④のカテゴリーのまま大きくなる。なので④→②のスライドはおきません。この二つは業界が分断されているのです。
たとえば、リーズナブルなホテルチェーンが拡大して一気に店舗を増やしたとします。この時に起きているのはより生産性の高いラグジュアリーホテルへの業態転換ではなく、安価に泊まれるホテルのままの規模拡大です。
なのでホテルマンとして高年収を目指す場合、以下の戦略をとることになります。
戦略2)それが無理なら、なるべく早い段階で④リーズブルホテルチェーンから②ラグジュアリーホテルチェーンに転職する
戦略3)それも無理なら、④の中で極力出世をめざす
出世に興味がないスローキャリア派なら、むしろベンチャーにいくべき?
このように④のカテゴリーの会社で高年収を目指していく場合、会社が成長するだけではダメで自分自身がより高い給料を得られる役割にシフトしていく必要があります。したがって、出世などに強いモチベーションがわかないスローキャリア派の人の場合、④にいると年収をあげられません。
しばしばIT系のスタートアップ・ベンチャーはガツガツした出世欲の強い人達が行くべき世界だと思われていますが、逆なのです。出世より自分の好きな業務を極めたい人こそベンチャーにいくべきなのです。会社が成長さえすれば、出世しなくても勝手に給料が上がります。
ということで今回は基本的な業界選びの軸についてでした。次回はもう少し1〜4の各カテゴリーを深掘りしたいと思います。