中途採用面接なんかでいろいろな方のお話をうかがっていると、うまくいきやすいキャリアのパターンがあることに気がつきます。今日はそれを紹介しましょう。
成功しやすいキャリアのパターン
そもそも何を持って成功とみなすかは難しいところです。さしあたりはこの記事で解説したような、「年収と自分が大事にしたい価値観、両方をバランスよく満たすことができる」状態を成功としましょう。私はこの状態を「自由度が高い状態」と呼んでいます。
それで早速ですが、私がよく見かける典型的な成功しやすいパターンがこれです。
●若いうち(35歳くらいまで)に1〜2回転職して、合計2~3社で異なる業界・職種・会社を経験
●30代中盤くらいから落ち着いて一社一社長めに勤める
さてなぜこのパターンだとうまくいきやすいのか?
それは若いうちに複数の選択肢を試すことで、自分にあった業界・職種・会社に巡り合う可能性が高まるからです。
このサイトでは以前から20代のうちに自分にあった土俵を選ぼう、という話をしています。
仕事の向き・不向きは自らの性格に影響されます。また過去の経験でつちかった特性、価値観にも影響されます。
だからやってみないとわからないんですね。これが仕事選びの難しいところです。ですが試行回数が増えればそれだけマッチする可能性が高まります。
そしてマッチした仕事や会社に出会う事ができれば、その分だけ生産性もやりがいも高まります。
早いうちに色々ためしてみる方があとあとうまくいく。
このことは他の場面、たとえば交際相手を探すときには意識されてる人を見かけるのですが、こと仕事になると「最初の会社で長く務めなきゃ」という呪縛が強い。それで動けなくなる人が多い印象があります。
では若いうちに転職しまくればいいのかというと、そうでもありません。日本ではジョブホッパー(短期転職を繰り返す人)が嫌われる傾向が強いので、あまりに転職しすぎるとマーケットバリューが下がります。
それで上述した、
●若いうち(35歳くらいまで)に1〜2回転職して、合計2~3社で異なる業界・職種・会社を経験
●30代中盤くらいから落ち着いて一社一社長めに勤める
というのは、わりとそのあたりのバランスのとれたプランなのでおすすめです。(私自身もこのパターンに該当します)
転職以外の選択肢もある
ちなみに複数の選択肢を試すためには転職以外の方法もあります。
たとえば若手社員を対象としたジョブローテーションによって複数職種を経験できる場合。最近ジョブローテーションはネガティブな言われ方をされることが多いですが、若いうちに色々な職種にトライできるというメリットもあります。
たとえば過去お会いした方でこんな方がいました。
入社時 メーカーで営業部門に配属
4年目 ジョブローテで人事に異動
7年目 ローテで再び営業に異動
8年目 はやり人事の仕事をしたいので別のメーカーに転職
この方の場合は一度経験した人事の仕事が自分にすごく合っていた。それが20代で分かったので、30代になってすぐ転職しています。
これはジョブローテがなければ分からなかったことでしょう。このように若手の間は日系総合職特有のジョブローテを活用して色々な仕事を経験し、そのあと専門家として一本立ちするというのは結構おすすめのキャリアパターンです。
また会社によっては社内公募や自己申告制度で別部門・違う仕事にトライすることもできます。
こういう制度を活用して若いうちに試行回数を増やすのも成功しやすいパターンです。社内公募や自己申告制度による異動は自分の意志が反映されるぶん、ジョブローテより主体的にキャリアデザインできるというメリットがありますね。
なので就活の時点でそういう主体的なキャリアデザインの可能な会社かを意識するのはとても大事なことだと思っています。
さらに付け足すと、最近は副業を解禁する会社も増えています。若い人の場合、副業は単なる収入源として期待するだけでなく、仕事の向き不向きを試すために副業を活用する方法もおすすめですね。