キャリアについてのよしなし

MBAで元エージェントの外資系採用マネージャーがキャリア形成の戦略と定石を解説します 毎週木曜を含む週1〜2回更新

競争力のあるキャリアを作るのは難しくない、学ぶことさえ止めなければ

新型コロナウイルス禍は私たちの日常風景をすっかり変えてしまいました。新聞を見れば「歴史的」「史上初」「過去最多」といった形容詞がならび、1ヶ月先の状況さえ十分に見通せません。

 

いわゆるVUCA、変化が大きく(Volatile)、不確実で(Uncertain)、複雑(Complex)そして曖昧(Ambiguous)な環境の極みといっていいでしょう。

 

このような不確実性の高い状況においては、自分の今後のキャリアに不安を感じる人も多いのではないかと思います。

 

そんな中でどうやって競争力のあるキャリアを作り、どう生き残っていけば良いのでしょうか? 

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競争力のあるキャリアを作るのは難しくない

最近このようなご相談をいただきました(一部改変)。 

地方の信金で勤める25歳男性です。いつも大変興味深い情報ありがとうございます。

 

現在社会人2年目ですが今の自分の市場価値にあまり自信が持てません。就職したとき会社への義理も考えて最低でも3年は務めようと決めていました。そのためまだ転職は考えていないのですが、最近のコロナ騒ぎもあって自分がいざ転職しようと思ったとき市場が悪化しているのではないかという不安があります。

 

一方で今の会社ではあまり他社でも通用するスキルがついているような感覚がなく、気がついたらどこからも声のかからない人になっているのではないかという恐怖感があります。

 

漠然とした質問になりますが、こういう状況でどうしたら良いか、何かアドバイスをいただければ幸いです。

ご相談ありがとうございます。

ひとつ紹介したいデータがあります。

2018年に行われたリクルートワークス研究所が5万人強から回答を得た調査によれば、調査前年の一年間に自己学習(勉強したり講義を聴いたり)をした人の割合は正社員で37%にとどまったのだそうです。※1

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加えてその約1/3にはその年だけ何か特別な事情で勉強したケースも含まれるため(会社に業務上必要な資格の取得を命じられたなど)、継続して1/3に入り続ける人はもっと少ないことが予想されます。またおそらく非正規まで対象を拡大すれば割合はさらに下がるでしょう。(パート社員や派遣社員には仕事と家事・育児とを並行していて、時間的に勉強したくてもできない層もいるでしょう)

 

一方で 「仕事以外の時間に勉強している」と答えた人は、年収2000万円以上で69.2%、年収500万円台で41.2%というデータもあります。

「仕事以外の時間に勉強している」と答えた人は、年収2000万円以上で69.2%、年収500万円台で41.2%だった。また3カ月に1回以上セミナーや勉強会に参加する人は、年収2000万円以上で過半数の53.2%だが、年収500万円では31.5%だった。収入の高い人と低い人の行動量の差が浮き彫りになった結果といえよう。

「学ぶ習慣を持っているかどうかが、行動量の差、そして収入の差につながっています」

年収2000万vs500万学習法比較 富裕層8割がおこなう勉強の秘訣 (2/5) | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 

要するに、これは日本全体を考えれば残念なことですが、世の中の人の多くはたいして勉強していません。この世(というか日本)は学習意欲の高い人にとって、それほど厳しい環境ではないのです。そしておそらくその差は年収にあらわれてくる。

学ぶことはマーケットバリューを左右する

キャリア形成の基本戦略においても触れているように、マーケットバリューを向上するためにはそれなりに努力が必要な場面もあります。

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近々書く予定ですがマーケットバリューを向上するための基本戦略として「特化」や「拡張」といった方向性があり、いずれも学習して新しい知識・スキルを身につけるのは往々にしてその最短ルートなのです。

 

ただし例えば地方の信金マンが盆栽の知識を得てもさほどマーケットバリューにつながらないように、学習という投資をマーケットバリューに結びつけ効果的に回収していくためには様々な戦略が必要になります。

 

ひとつはタイミング(When)の戦略です。これについては以前も触れました。

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そしてもひとつは何を学習するかという取捨選択(What)の戦略です。これは難しいテーマですが、ある程度セオリーもあります。成功しやすい、マーケットバリューにつながりやすいパターンというのは存在します。大事なのはそれを知ることです。

 

ということで(たぶん)次回からマーケットバリューを上げる戦略について書いていこうと思います。

 

※1 日本経済新聞2018年8月21日号より 

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