キャリアについてのよしなし

元エージェントの外資系採用マネージャーがキャリア形成のセオリーを解説します 毎週木曜を含む週1〜2回更新

(プロが教える年収アップ戦略①) 基本的な考え方、年収上がり幅÷投下労力を最大化する

能力的には普通なのに高年収を得ている人はどういう行動をとってきたのか?
不況時に就職したのに高年収を得ている人は何が違うのか?

 

こうした問いに応えるべく、今回から連載っぽいかんじで、何回かに分けて、勤め人のための年収アップの方法をお話ししていきたいと思います。

 

年収アップの方法にはセオリーがある

現採用マネージャー・元エージェントとして多くの人と接していると、普通以上の高年収を実現しているケースにはかなりの部分共通項があることに気づきます。それはつまり多くの人にとっての再現性があるということです。

 

年収アップについて語られてる内容は往々にして「その人だからできた」というような個人的体験談に終始することが多いように思うので、このサイトではもう少し「誰でも」とは言わないまでも、「6割~8割の人が取り入れられる」ノウハウの提供を目指したいと思います。


さて今回は基本的な考え方から入りますが、まず普通の人が普通以上の高年収を得るためには

しくみ・構造に乗ることで、年収上がり幅÷投下労力を最大化する

という思考で臨むことが大事です。

 

しくみ•構造に乗ることで、年収上がり幅÷投下労力を最大化する

最初に協調しておきたいのですが、労力(あるいは努力)の最大化はあとまわしにすべきです。

 

日本人は好きな言葉ランキング1位が「努力」になったりするような国民性なので、多くの人がこの方向性で年収アップを目指します。

 

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図にするとこんな感じです。

 

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が、ここに戦略的な間違いがあります。どういうことか?

 

年収決定の変数は大きくわけて2つあります。
①能力(パフォーマンス)や成果(アウトプット)など、高めるのに個々の努力が必要なもの
②それ以外の、会社とか社会のしくみ・構造で上下するもの

 

実は年収というのは①より②、しくみ・構造で決まる割合が大きくなっています。

 

したがって①を高めるために労力をひたすら投下する方向性は効率が悪い。

 

なんですが、会社は社員に頑張って働いてもらいたいというインセンティブ(動機付け)があるので①(能力と成果)の重要性を強調します。その結果、②(しくみ・構造)に目がいきづらくなります。

 

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なので、こういう会社の意図に流されず、まずはしくみ・構造で決まる部分を最適化しましょう。そうすると

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が上がります。これで同じ労力でもより高い年収に到達します。図にするとこんな感じです。

 

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この年収上がり幅÷投下労力を常に意識するのが年収アップのコツです。

 

しくみ・構造とはどういうのか

具体的には次回以降解説していきますが、今回はイメージだけもってもらえるようにちょっとした小話だけ。

 

00年代初頭、経済学者のハーバート・サイモンは次のように言っています。

「大目に見てもアメリカ人が実質的に稼いでいるのは、せいぜい収入の五分の一程度であろう。残りは、彼らが米国というきわめて生産的な社会システムの成員だからこそ継承できた分け前のようなものだ。」(※)

仕組みというのは要はこういうものです。

 

年収アップに大事なのはこういう「システムからの分け前」を得られるような環境にいかに身をおくかで、それは戦略次第でどうとでもなります。

 

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(イメージ図。勢いで買ったマックを使いこなせずなんとなくダサい‥)


年収に対する心構え ‐「ワーキングプアになる人は努力が足りない」は本当?

年収はしくみ・構造に大きく左右されるということは、逆にいえば、
必ずしも「年収が高い=能力が高い」 わけではないし、

「低所得者は努力が足りなかった」わけでもありません。
また年収は人の人間的な価値を表すものさしでもありません。

 

エージェントを仕事をやっていた時にときどき、
「自分はすごく頑張って良い大学を卒業して良い企業にも就職した、だから年収もこれくらいあるべきだ!
みたいな強い思いを持っている方を見かけました。

 

なんですが、残念ながらしくみ・構造にうまく乗っていないと頑張っても年収の伸びには限界があります。

 

たとえば構造的に低収益になっている業界で働いている場合、頑張っても年収は上がりません。でもそんな中で年収低くても頑張るのは、それはそれで尊いですよね?

 

年収の多い・少ないで相手を値踏みすることなく、一方で現実にお金は必要なので、なるべくスマートに自分の年収を上げていけるような戦略を淡々と実行していくくらいが良いんじゃないかと思います。

 

ということで次回から具体的な方法論について書いていきます。


(※)ロバート・B・ライシュ「最後の資本主義」から

 

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