最新の転職マーケット動向について取り上げます。前回のマーケット動向はこちら。
直近の転職マーケットはどうなってるでしょうか?
最新の雇用動向は?
ではまず最近のニュースから見ていきたいと思います。
日本の景気 雇用に変調か “製造業の求人も減少” | NHKニュース
日本の景気は雇用が順調に改善してきたことが支えになってきましたが、最近、その「雇用」に“変調”もみられます。
厚生労働省によりますと、雇用情勢はなお全体としては人手不足の状態にありますが、製造業の求人に以前のような力強さがなくなりつつあります。
製造業の新規の求人数は、ことし2月から前の年の水準を下回るようになっています。特に、夏以降は8月が15.9%、9月が11%、10月が15.6%、それぞれ少なくなりました。
貿易戦争のあおりを受けてメーカーが不調のようです。特に自動車メーカーの期間従業員の募集にストップがかかっているとのこと。
正社員の方はどうかというと、例えばほぼ人材紹介専業で唯一上場しているJACリクルートメントも先月業績下方修正を出しました。
こういった動向をどう捉えたらよいでしょうか?
若手であるということ自体が価値になってしまう時代
そもそも今の人手不足には、
- 好景気
- 少子化・若年労働人口の減少
という2つの側面があります。
このうち少子化・若年労働人口の減少というのは構造的な問題であって、ものすごい画期的な少子化対策か、ものすごい積極的な移民政策がとられない限り解決されません。そして残念ながら日本の政治を見ている限りどちらも実現されることはないでしょう。
これ、部分的にはAI・ロボットなどのテクノロジーが解消させるでしょうが、対人サービスなどの情緒的価値が重視される領域、たとえば高級旅館とかですね、こういうところの人手不足は当面解決されないでしょう。
そして会社組織というのは継続(ゴーイング・コンサーン)を望むなら若手を雇って代替わりしていかないといけません。それが無理なら廃業です。実際廃業はめちゃめちゃ増えています。
そんなわけで日本では相対的に若年であればそれ自体が価値になります。現在の人口動態がこんな感じなので、
事業継続を望む企業の間では上の図の青色の生産年齢人口の下半分、35歳位までの層はこの先何十年も取り合いです。景気動向によってある程度ニーズの上下はあるでしょうが。
さて上で取り上げたJACリクルートメントは40代以上の中堅・役職層に強いエージェントです。
一方で転職サービス会社の中でも、もっと若手に強いDODAの場合、直近も求人数は伸び続けています。
これには上述したような若年労働者のプレミア化という構造的な背景があります。なのでこの先も若手転職マーケットについていえばちょっとやそっとの景気後退では大きな影響を受けないと思われます。
リーマンみたいな壊滅的なヤツはだめですけどね。前回のマーケット動向でも取り上げたように、経営者のマインドがやられるとそもそも採用という投資行為自体控えられてしまうので。
今回の景気の変調が最終的にリーマンのような壊滅的な自体に帰着するかは誰にも分かりません。われわれちっぽけな一個人に大事なのは日々少しずつマーケットバリューを積み上げていくことです。
こんなわけで、こういう転職市場動向に関するニュースを見た時は、自身に直接影響する話なのかどうか、しっかり見極めることが大事です。焦って無駄な転職をしてもしょうがないので。