キャリアについてのよしなし

元エージェントの外資系採用マネージャーがキャリア形成のセオリーを解説します 毎週木曜を含む週1〜2回更新

肩書き・出世に興味がない人のための会社選びのポイント

近年の若手・ミレニアル世代(80年代-90年代中盤に生まれた世代)の価値観のトレンドとして
昇進やタイトル(肩書き)を重視しなくなっている
というのがあります。

一方、「自分の会社を持つ(5%)」「組織のトップに立つ(3%)」「部下を管理する(3%)」といった"リーダー的役割"につく事をキャリアの最優先事項に挙げた日本のミレニアル世代は、11%に過ぎません。"自身がリーダー的役割を担うことが、キャリアの最優先事項ではない"というミレニアル世代の傾向が明らかになりました。

日本のミレニアル世代、「キャリアの最優先事項は“高い収入を得る”が過半数」 | 人材派遣・人材紹介のマンパワーグループ

 

ただ気を付けないといけないのは、多くの人はタイトルにこだわらないからといって、
成長やスキルアップを希望していないわけではなく
やりがいを軽視しているわけでもない
ということです。

 

若手の面接をしてて感じるんですが、多くの会社(の中間管理職)はここを混同するために間違ったマネジメントしています。

 

つまり出世を望まない=やる気がないものとして扱われ、本人の成長意欲が満たされないというミスマッチです。もしくは出世こそがあるべき成長のかたちとして扱われることによる、価値観のミスマッチ

 

ではそんな出世・肩書きを重視しない(けれど成長していきたい)人はどういう会社を選び、どうキャリア形成していけばいいのか?今日はこの点を解説していきたいと思います。

 

そもそも出世しなくても成長はできる

当たり前ですが、出世なんてしなくても成長することはできるし、どこでも転職できるような市場価値をつけていくことも可能です。

 

たまに「肩書きなしでは40代以降の転職が難しい」などと書かれた転職ブログを見かけるのですが大嘘です。特に外資の世界ではスタッフレベルの40代以降転職はごく普通のことです。

 

いずれじっくり解説しますが、出世を伴わずにキャリア形成していく際の代表的なパターンは以下の3つです。
①一つの領域でスキルを高めていく
②同じ職種カテゴリーの中で違う分野にピボットする(例:人事採用担当→研修担当)
③全然違う職種にジャンプする(例:営業→経理)

 

したがってこの3つパターンを実現できる会社はどんな会社なのか、ということを考えると、会社選びというテーマをより解像度高く考えることができます。

 

新しい取り組みやチャレンジを推奨する仕組みやカルチャーがある

まず①「一つの領域でスキルを高めていく」パターンですが、これを実現するためには
会社に新しい取り組みやチャレンジを推奨する仕組みやカルチャーがある
ことが必要です。

 

もっというとフラットでヒエラルキーの少ない会社の方が良いです。

私の専門である採用業務を例に説明しましょう。

 

実は採用も色々トレンドがあって、最近だと
・オウンドメディアリクルーティング
・AIを使った事務作業の効率化(面接日程調整とか)
・採用ブランディング・マーケティング
みたいなテーマがあります。

 

こういう新しいチャレンジを続けていればそれは市場価値に繋がります

 

ここ勘違いされがちなんですが、同じ職種を20年続けることが問題なのではなく、同じ職種の中で同じことを20年続けるからスキルが陳腐化して市場価値を失うのが問題なのです。

 

世の中がどんどん発達して進化していくので、自分自身をその変化にキャッチアップさせ続けるだけでも「過去培ったアーカイブ+最新スキル」の組み合わせで充分に市場価値がでます。

(そもそも多くの人は最新スキルにキャッチアップできません)

 

ですが、新しいツールや手法の導入というのは企業にとっては先行投資なので失敗のリスクが伴います。したがってチャレンジしやすい会社というのはそのリスクを許容し、新規の取り組みを促すためには仕組み・カルチャー・財源などある会社だと言えます。またそうした環境で新しい取り組みを奨励し積極的にゴーサインを出す上司の存在も不可欠です。

 

その点、ヒエラルキーが少なく現場に決裁権の移譲が進んでいるフラットな組織だと上司への説得が最小限で済むため理想的だと言えるでしょう。IT業界なんかの流行りでもありますね。


キャリア面のコーチングをできる上司がいる

またいくら「最新スキルにキャッチアップし続けていけば市場価値を維持できる」といっても、昇進もなく同じ職種にとどまっていると分かりやすい成長の証がないため、往々にして「本当に今も自分に市場価値があるだろうか」と不安になってきます。

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また自分だけで最新スキルのトレンドを把握するのは困難だし、気がつくと思い込みのもとニーズのないスキル獲得に邁進するリスクがあります。

 

そこで、

  • 相手の鏡となって「どこが成長しているか」を市場価値を交えて客観的にフィードバックし
  • 一緒に今後のスキルトレンドについてディスカッションしながら
  • 相手のディベロップメント(能力開発)のプランニングをサポートできる

といった、キャリア面のコーチとなれる上司がいると理想的でしょう。

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ただこれは今の時代結構重要なわりに難易度の高いスキルなので、これができる中間管理職は圧倒的に少ないです。そういうスキルが(部分的にでも)ある人が上司になればラッキー、なるべくその人と一緒に仕事すると良いです。

 

自律的なキャリア形成を支援する制度がある

次に、
②同じ職種カテゴリーの中で違う分野にピボットする(例:人事採用担当→研修担当)
③全然違う職種にジャンプする(例:営業→経理)
といった方向で成長していこうとすると、会社に自律的なキャリア形成を支援する制度があることが大事になってきます。

 

具体的には自己申告制度、FA制度、社内公募制度といった仕組みですね。

 

転職で②③を実現するのでもいいのですが、多くの場合中途採用で募集をかけている企業は即戦力を求めていて、最初から経験のない(浅い)領域をトライさせてくれたりするケースはまれです。だからこそ転職先に自律的なキャリア制度を可能にする仕組みがあり、今すぐは無理でも将来的にそういう機会があるかどうかが重要なのです。


まとめ

ということでまとめると、出世や肩書きを重視しない場合、

  • 新しい取り組みやチャレンジを推奨する仕組みやカルチャーがある
  • キャリア面のコーチングをできる上司がいる
  • 自律的なキャリア形成を支援する制度がある

の3つの要素の有無をチェックしていくことで、今いる会社にとどまってOKか、転職先は出世不要型にとって良い環境かを判断することができます。

 

関連記事です。私は今後は社内公募が増加し、それに伴って自律的なキャリア形成が必要になっていくと考えています。

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