キャリアについてのよしなし

元エージェントの外資系採用マネージャーがキャリア形成のセオリーを解説します 毎週木曜を含む週1〜2回更新

キャリアについて20代のうちに決めるべきこと2つ(補足)~経理をやるなら出世を目指した方がトク?

前回のエントリーの続きです。

 

前回は「28歳までに住む場所と職種を決めることが大事」という話をしました。

 

職種は大きく分けて、

  1. F = フロント(営業・販売など
  2. M = ミドル(マーケティング・物流など)
  3. B = バック(経理・人事など)
  4. I = イノベーション職種(研究職やプログラマーなど)

の4つに分かれます。そのどれを選ぶかで安定性と年収に影響が出ますよ、という話をしました。


今回はFMBI各職種カテゴリーごとの違いの続きです。


評価と昇進のポイント

評価や、昇進において重視される点も職種によって大きく異なります。それぞれ見ていきたいと思います。

 

バックの職種(経理・人事・総務など)・ミドルの職種(マーケティング、ロジスティクスなど)

これらの職種はしばしば成果を定量評価することが困難です。なので正直なところ上司へのアピールと運が大事です!


たとえば人事採用担当の場合、一見「採用人数」という形で定量評価できるように見えます。しかし、こんなケースはどうでしょうか?


 ケースA) 目標の採用人数を達成できたたが、誰一人役員まで昇進する人を輩出できなかった
 ケースB)目標人数を大きく下回ったが、役員を含む複数のリーダーを輩出できた


この場合AとBどちらをより良い成果とするかは判断する側の価値観次第です。


ミドル・バックの成果はこのように価値観次第で評価が大きくブレます


なので往々にして「どれだけ知識があるか・経験年数を持っているか」といったその人の持つスキル・能力や、上司にうまく成果をアピールできているかどうかといったことで大きく左右されます。


必ずしも実力があればどうにかなるとも限らない。


また昇進も、営業のように客観的な数字で成果を証明することができないため、多くの会社では「たまたま役職が空いた時に一番経験がある人を昇進させる」といった人事が行われています。


つまり運に大きく左右される。


実は転職エージェントしてると分かりますが、上が詰まっていて出世しづらいというのがミドル・バックの非常に多い転職理由です。その分このカテゴリーは転職が少し多くなっても大丈夫です。

 

フロント職種(営業・販売・コンサルタントなど)

フロント、例えば営業職はどうでしょうか?

 

営業の場合、一般的には数字、つまり予算の達成率や売上金額といった客観的な指標で評価されます。


こうした数字には解釈の入る余地がないため、どうすれば評価されるのかは非常に明確です。

 

そんなわけで、普通は数字を残した人が出世します。もちろん「良いお客を担当できるか」といった運による影響はありますが、バックオフィスに比べればよほどコントロールしやすいです。


このあたりの評価尺度のあいまいさは顧客との距離感によって決まります。

 

イノベーション職種(プログラマー、デザイナー、研究者など)

最後にイノベーション職種の場合です。


ここでは評価の軸は発明・発見・問題解決・デザインの良しあしといった、「才能とモチベーション」に大きく左右される要素でなされます。


ただし研究者同士だとお互いの成果の良しあしを理解できるため、評価には意外と納得度があるのがこのカテゴリーの特徴です。


また、昇進においては実は意外と評判が重要になります。


というのもこのカテゴリーでは近年フラットな組織体系を採ることが多く、多くのメンバーが創造力を発揮できるようにサポートするリーダーシップ(サーバントリーダーシップ)が求められる傾向にあります。


もちろん実務能力は必要ですが、多くのメンバーから頼られるような人望があることも求められてしまう難しさがある。

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肩書きと年収の関係

肩書きが年収にどう影響するかは人事制度・給与制度に最も大きく影響されますが、以下のような傾向があります。

 

バック職種・ミドル職種

まず、バックとミドルは基本的に肩書きの大小と年収が比例します。


これは、 さっき書いたみたいに、成果を図る客観的な物差しがないためです。


すると責任範囲(つまりマネジメントする人数)の大小で給料を決めてしまう方が納得感を得られやすいし、給料を決める側もラクなんでこうなります。

 

フロント職種

一方フロントの場合、インセンティブ重視の会社のトッププレーヤーは下手な管理職よりよほど稼いでいます。

インセンティブの大きな業界というと、たとえば人材紹介・エグゼクティブサーチ、不動産、医療機器などがありますね。個人事業主型の営業職の多くがこれに該当します。

 

なのでこの職種では無理にマネジメントを目指すよりプレーヤーでいる方が稼げたりします。

 

イノベーション職種

イノベーション職種については、特に日本ではまだ報酬体系が確立されていない面もあって、良く研究者が発明から発生した収益の取り分をめぐって会社と喧嘩していますね。

biz-journal.jp


またIT業界ではスーパープログラマーやデータサイエンティスト等にかなりの高額報酬を提示する例が目立っており、必ずしも昇進と収入は比例しません

 

そんなわけでここも無理矢理出世を目指すよりもプレイヤーでいることを評価してくれる会社に行く方が幸せなカテゴリーです。

 

まとめ

ということで、繰り返しですが自分がどのカテゴリーの職種を選ぶかは

  • 安定度
  • 年収
  • 評価と昇進のポイント
  • どのくらい出世と年収が相関するか

に影響します。そして職種カテゴリーは28歳まででないと変更が難しいので、自分がどのカテゴリーで生きていくか早めに決断しましょう。

 

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