今回はワーキングホリデー、いわゆるワーホリについて書きたいと思います。
ワーホリに行く前にやるべきこと、それは・・
私がMBA取得のため海外留学していた時の話です。
たまたまワーキングホリデーに来ていた20代後半の日本人の女性と知り合いになりました。
彼女は英語を身につけたいと思って渡航し既に半年以上が経過していたのですが、しばらく一緒にいると未だにあまり英語力が高いとは言えないことがわかりました。
聞いてみると、「現地に来てしまえば英語は伸びる」という留学エージェントの言葉を信じてロクに文法も基礎的な単語を身につけないままこちらに来てしまったとのこと。
彼女を見ていてと良く分かったのですが、これがとにかくもったいないのです。どういうことかというと、あらゆる場面で英語力アップのための機会損失が発生してしまっていたのです。
そんなわけで私はワーキングホリデーに行く人には、基本的な英語力は行く前につけておきましょう!とアドバイスしています。
低い英語力で海外にきても伸びづらい
たとえば電車に乗って車内広告を見る。精神科のクリニックの広告に”depression”(うつ)という単語が書いてある。このdepressionという単語を知っていると、その広告がメンタル関係のものだと推測ができるため、同じ広告内の色々な英単語の意味をなんとなく推測できたり、思い出したりできます。
あるいは公共の場でのアナウンス、人々の会話、こういった色々な情報は一定の英語力があれば全て英語力アップのチャンスになりえるのですが、彼女の場合それがただの文字情報・音声情報として流れていってしまうのです。
私は何度か彼女と一緒に図書館に行って勉強したりしていたのですが、気の毒なことに結局あまり英語は改善しなまま帰国してしまいました。
ワーホリの場合、こういうパターンがかなり多いのです。
ついでに言うと、留学エージェントが全て仕切ってしまうため、現地で不動産屋と交渉したり、銀行口座を開いたりといった英会話学校のテキストにでてきそうな実践的な英語力強化のチャンスも全て失われてしまう。
中には日本人コミュニティーにこもってしまってそもそも外国人と話すことすらほどんどない、なんてケースも。
英語を身につけたいなら、ワーホリでもあってもTOIEC600位の英語力は身につけてからいくとだいぶ違うはずです。
もっというと、TOIEC800以上クラスになってくれば単なる英語学校ではなく英語で専門的なコースを受講する、900以上クラスになってくれば大学院といった選択肢も出てきます。
海外で英語力アップのためのあらゆる機会を一番活かせるのはこういう高めの英語力を持っている人たちなのです。
つまり英語を学ぶのではなく英語で何かを学ぶ。これが一番留学・ワーホリでの有効な英語力の伸ばし方です。
だからこそ逆説的ですが、本当に英語力を伸ばしたいなら日本である程度英語力を伸ばしてからいくべきなのです。
それでも「とりあえずワーホリ/海外留学」がおすすめできるパターン
一方で英語力が低かろうがなんだろうが海外に行ってしまうのがおすすめできるパターンもあります。
一つはワーキングホリデーを文字通りホリデー、休暇として割り切って使うケースです。
私の留学中に出会った別の人で、元薬剤師の女性がいました。彼女は10年近い激務で心底疲労がたまっていて、人生のリセットのためにワーキングホリデーにきていました。
何よりリフレッシュが優先で、英語力アップはその次と明確に割り切っているため余計なストレスは溜めないようにしていました。
ほとんど一事が万事エージェントまかせで、笑ってしまったのですが現地でのスポーツ観戦のチケットさえ日本の「ぴあ」で購入して家族に送ってもらっていたくらいです。
でも彼女の場合、一番の目的と合致しているのでそれでいいのです。私は見ていて、とても健全なだ、と思いました。
別にかならずしも意識高くもってガリガリやらなくてもいいですよね。
もう一つは不景気の底をやり過ごすためにとりあえず海外に避難してしまうケースです。このパターンについては今度解説します。
とにかく結局大事なのはワーホリ/留学で何を実現したいのか、それを明確にしておくことです。
その上でもし英語力アップがプライオリティなら、先に基礎的な英語力は身につけておきましょう。
関連記事です。英語力は今後もマーケットバリューがでます。頑張って勉強する価値があります。