前回の記事では若いうちに色々な仕事試すことで後々満足度が高まることが多い、という話をしました。
今回はそれを踏まえて、会社のやめ時をどう判断するかについて、「期間」と「満足度」2つの軸で説明したいと思います。
「会社の辞めどき」、どう判断する?
まず期間的な面でみてみましょう。
自分に合った会社・仕事を探すために転職するのは全く悪いことではありません。ところがある程度やってみないと自分に合っているかどうかすらわからないこともあります。
ある仕事が自分に合っているか判断するのにどれくらいの時間が必要でしょうか。これは仕事によりまちまちです。たとえば同じ営業職でも大規模・高額製品のメーカーの場合、ひとつの商談をまとめるのに数年を要することもあります。こういう仕事は1〜2年やったところでその本質をつかむのは難しいでしょう。
また青い鳥症候群になってもしょうがないのもたしかです。そこで私がひとつの目安としてお話しているのは3年です。例外はありますが、多くの仕事は3年もあればだいたいの全体像や求められる資質をつかむことができます。
また3年は企業側に短期離職としてみなされにくい最低限の期間です。絶対の正解はありませんが、入社して3年以内であれば大きな不満がない限り現職にとどまる方がいいケースが多いですね。
次にいまの仕事への満足度の観点から考えてみましょう。
たとえば今が10%しか満足度がないなら判断は簡単です。辞めて次を探しましょう。
問題は大きな不満はないがすごく満足でもない、60%くらいの満足度の時に、わざわざ辞めるべきかどうかです。
この場合は転職することで逆に40%まで下がるかもしれません。あるいは今の仕事を続けることで、だんだんと満足度が80%、90%と高まっていくかもしれません。
こういう「大きな不満はない状態」にあるときに辞めていいかどうかの判断基準は2つあります。それは、
1どれくらいリスクをとれるか
2いまの会社で満足度を高められそうかどうか
という点です。
1どれくらいリスクをとれるか
いまの満足度が普通の時の転職はリスクテイキングです。
ただし、様々な要素によってリスクの大小が全然変わってきます。
一番大きな要素は市場価値です。市場価値が高く、辞めてもすぐ再就職先が見つかりそうならリスクは小さいです。積極的に転職を考えてもいいでしょう。
ほかにも、
- 資産/貯蓄
- 配偶者の稼ぎ
- 自分のマーケットバリュー
- 短期離職カード
- 住宅ローン
といった要素が転職リスクの大小に影響します。
たとえば家庭を持っている場合40代なんかはお金も入用ですし、これから20年前後働かないといけなかったりします。このタイミングで大きなリスクをとるのは怖いかもしれません。こういう要素を一度ちゃんと洗い出しておけば、転職で逆に満足度が下がるリスクをヘッジできます。
2いまの会社で満足度を高められそうかどうか
もうひとつはいまの会社でも満足度を高めることができるかどうか、です。
これは具体的には、社内公募などの、キャリア自律を後押しする仕組みや雰囲気があるかを指します。そもそも中途半端な満足度のときに、自分のキャリアをフリーハンドで会社にゆだねてしまうのは悪手です。
逆に社内公募等の仕組みがあって、一人一人の自律的なキャリア形成を支援するような会社であれば、社内でトライアルできる可能性もあるためゆくゆくは満足度が上がってくることがが多いですね。
たとえば私の会社では社命による異動先の仕事でしっくりこなかった人が、その後社内公募でマッチした仕事について幸せに働いているケースが結構あります。