キャリアについてのよしなし

MBAで元エージェントの外資系採用マネージャーがキャリア形成の戦略と定石を解説します 現在は不定期更新

将来性に不安?MRが今後生きていくためのキャリアと転職

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MRは高年収の職業として人気があります。また人々の健康に貢献できる職業として誇りを持てる仕事でもあります。一方でここ数年は先行きを不安視するような報道も目にします。今日は今現在MRをしている方のために、キャリアの戦略と転職について、専門家目線で解説します。

逆風のMR界隈、これからどうする?

MRであればほとんどの方々が知っている事実として、現在MRの総数は減少しています。

"MR認定センターは11月2日、「2020年版MR白書」を公表した。2020年3月31日時点のMR数は5万7158人となり、前年に比べて2742人減少した。単年度の減少数は過去最高。MR数は2013年の6万5752人をピークに毎年減少している。"
出典:https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=70113

薬価改定・ジェネリックへの置き換え・ブロックバスター開発の難化など様々な理由が語られていますが、ここでは深入りしません。

今後の長期的な見通しはわかりませんが、私も今まで通りのMRの人員数や年収が維持できるかはかなり怪しい気がします。また他の業界でインターネットの普及とともに外回りのセールスの一部がインサイドセールス職に置き換わりました。同様に製薬業界でも医薬品情報の提供が今までと異なる形でなされるかもしれません。

これからのMRのキャリア戦略

いずれにせよ業界としての変動が大きい中、ここでは「どうやって個人として安定しつつ、収入の最大化を図るか」を2パターンに分けて考えたいと思います。

パターン(1) MRとして差別化して生き残っていく(MRの仕事が好きな人、既に35歳以上の人)

だいたいの目安ですが35歳以上になってくるとMRから畑違いの分野に転職することが難しくなり、基本的にはMRとしてのキャリアを継続することになります(例外は社内公募や異動でキャリアチェンジした場合)。

下記にも書いていますが、畑違いのエリアにいく場合、基本は20代までが上限年齢です。

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ですので今すでに30代後半以上の方は、MRとしてどう生き残るかを考えましょう。いくら業界全体のMRの席が減ったとしても結局は、

①自社で他のMRより評価されていれば自社に残れる
②自社で評価されてなくても、他社のMRより評価されれば転職できる

ということです。

 

さてMRはフロントオフィスの仕事です。フロントオフィスの仕事は【数字で定評的にパフォーマンスを評価される】という特徴があります。

 

この場合、社内外での評価を高め生き残るための戦略としては

  1. シンプルに数字を上げる
  2. 差別化する

という2つの方向性があります。

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1は才能に恵まれた人のための戦略なのでここでは詳述しませんが、MRもやはり圧倒的な数字をあげられるならそれが一番強く、あまり深く考える必要はないでしょう。

 

2についてですが、新聞や業界誌で情報収集していけば差別化のカギはいくらでも見えてくると思います。分かりやすいところで言えばオンコロジー等の領域に特化して専門性を高めるというのもありますし、世のトレンドに対応する方向性もあります。

たとえば最近私が聞いた事例では、地域連携や在宅診療にすごく詳しい点を評価されて転職に成功したというケースがあります。

パターン(2) MR を捨てて別のルートを探る(MRにこだわりがない人、35歳未満(目安)の人)

もうひとつ、MRという職種にこだわりがなければ思い切って別の仕事にキャリアチェンジする手もあります。

A:社内ルート

社内で社内公募を活用して動いていくということです。この場合、ある程度若くかつ成績が良い方が可能性が広がります。

具体的にはマーケ、PM、学術・DI、あるいは人事などの管理部門などがあります。

評価を高めるための戦略については下記も参考にしてください。

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B:社外ルート

社外にチャンスを求める場合、

  • 医療機関を顧客とする営業職(医療機器)&ヘルスケア業界を顧客とする他の営業職(Webツールのベンダー、人材紹介など)
  • 完全未経験営業& 医療系コンサル
  • 完全未経験職種(例:経理)→28才くらいまで

といった可能性があります。基本的には上の方が可能性が高く、下の方が可能性が低くなります。いずれも年齢が若いほどチャンスがあります。

ただしMR時代と比較して年収は下がることが多いです。

ここはMRに留まることの将来的なリスクとの天秤で考えるしかありません。またMRはどうしても全国転勤や運転、土曜日出勤などがありますから、これらがなくなるなら年収ダウンでもOKという人もいるでしょう。

いつも言ってることですがまずは自分の価値観・プライオリティを明確にすることです。

転職戦略

MRとして転職をするなら、必ずしもエージェント等は使う必要はないです。

大手・中堅の製薬会社はMR募集情報をHPに載せてることが多いので普通にそこから応募でも問題ないです。エージェントと話すのも面倒な時はありますから。

どちらかというと30代くらいまでの若手で、あらゆる可能性を検討したい場合はエージェントと話しながら考えると良いと思います。これまでの私の経験からMR採用に強そうなエージェントをピックアップしました。

リクルートエージェント 【公式サイト】

DODA【公式サイト

パソナキャリア【公式サイト

Spring転職エージェント【公式サイト

大手ばっかりですが、MRは企業側にとってみると大量採用するポジションで、大量採用は大手エージェントが強いです。リクルートとDODAはお好みで。なんとなくHPの雰囲気とかで決めてよいと思います。この2つは若手営業職の求職者を多く抱えており、結果企業からも若手〜中堅採用の求人が多く寄せられます。

外資ですがSpringは結構良いと思います。ここは外資系派遣会社のアデコ系列で、ロバート・ウォルターズやヘイズなどの外資系エージェントはあんまりMRとかに強いイメージがないのですが、SpringはなぜかMRに強めです。私が自分で登録するならリクルート or DODA or パソナ+Springという感じで登録すると思います。

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