キャリアについてのよしなし

MBAで元エージェントの外資系採用マネージャーがキャリア形成のセオリーを解説します 毎週木曜を含む週1〜2回更新

コロナウィルスは採用、特に外資系の採用を止めてしまうのか - 転職マーケット展望2020年3月

新型コロナウィルスによる肺炎の影響がいよいよ深刻な様相を呈し始め、各企業への採用活動に影響をおよぼしはじめています。

 

私の所属する企業(とある外資系メーカー)も例外ではありません。

日々採用活動に奮闘している人間の目線で現在の採用活動状況をレポートします。

 

面接のバーチャル化

すでに広がりつつあるのが面接のバーチャル化です。面接が電話やTV会議で置き換わりつつあるということです。

 

もともと特に外資系企業では電話面接に抵抗がありませんでした。これは採用しているポジションの上司が海外にいたりして、以前から最終面接フェーズが電話で行われることが一般的だったためです。

 

これがコロナウィルスの影響により一次・二次面接フェーズにまで浸透しそうな見通しです。

現に私の会社の中国オフィスではもう全ての採用面接をオンラインで完結させていると言っていました。これは現在の中国では当たり前なのだそうです。なんていうかすごいですね。

 

ただしここ日本でもバーチャル面接だけで内定にまで結びつくようになるかは現状不確かだと思われます。エージェントや他の会社の採用担当に聞いた限りでは、やはりまだ直接顔も見ないで採用することに抵抗感のある企業は多い印象です。


外資系特有の採用凍結

外資系企業の多くはちょっとした景気変動に敏感に反応し、すぐに採用活動を一時停止(ハイヤリング・フリーズ)します。

 

そもそも採用したところで現状では在宅勤務を推奨の流れがありますが、まだ入社時の各種手続きや導入研修まで完全オンラインで提供できる会社は少数でしょうし、チームに慣れてもらったりするためのオンボーディングもバーチャルでは難しいものです。

 

その意味では一時停止になるものむべなるかなという感じ。

 

たとえば最近もこんな記事がでました。

"「採用活動の一時停止」は、外資系企業(22%)と日系企業(5%)で約4倍の差"

www.jiji.com

 

 

これには色々な理由がありますが、大きな理由はこうです。
彼らの本社がある国々、アメリカとか韓国とかドイツとか色々ありますが、そういった国々(本国)では日本より人材の流動性が高い、つまり転職で人が動きます。つまり中途採用マーケットに厚みがあるので、再び人が必要になった時にも迅速に採用できます。

逆に言うと採用しすぎによる人員過剰を防ぐためすぐに採用を一時停止してしまうわけです。

 

私の会社ではまだフリーズ指示はきていませんが、いつきてもおかしくない雰囲気を感じます。フリーズになると採用担当は暇になり、やる気のあるメンバーがエネルギーを持て余してしまいますし、採用担当は採用してこそ成果を主張できる面があります。そんなわけで戦々恐々です。

 

一番恐ろしいのは景気後退への突入

とはいえ向こう数週間でこの騒動が収拾に向かうようなら転職希望者にとってそれほど問題ではありません。やはり一番恐ろしいのはこれをきっかけにリーマンショック後のような本格的な景気後退局面に突入することです。

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そもそも現在は世界の公的債務残高が過去最高を記録しており、数年前から何かのきっかけで大きな景気後退に突入する可能性が指摘されてきたわけです。そしてそれが今回のコロナウィルス騒動だとしてもおかしくはありません。

 

そうなると向こう数年にわたって採用市場に影響が出る可能性があります。

そうなった時の影響はどの程度なのか。今の日本の人手不足を牽引しているのは少子高齢化ですから、特に若手向けの求人はそこまで減らないかもしれませんし、やはり減ってしまうかもしれません。こればかりはわかりません。

 

ただ40代以上の中堅・ベテラン層向けの求人は大幅に減るのではないかと思います。

今回の騒動が早期収拾に向かうと良いのですが・・・。

 

関連記事です。もし不況に突入してしまった場合、やり過ごす戦略を考える必要があります。

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