キャリアについてのよしなし

MBAで元エージェントの外資系採用マネージャーがキャリア形成の戦略と定石を解説します 毎週木曜を含む週1〜2回更新

コロナウィルスは採用、特に外資系の採用を止めてしまうのか - 転職マーケット展望(2020年3月)

(4月15日追記:思った以上に継続的にアクセス頂けるためアップデートしました

 

新型コロナウィルスによる肺炎の影響がいよいよ深刻な様相を呈し始め、各企業への採用活動に影響をおよぼしはじめています。

 

私の所属する企業(とある外資系メーカー)も例外ではありません。

日々採用活動に奮闘している人間の目線で現在の中途採用の動向をレポートします。

 

面接のバーチャル化

すでに広がりつつあるのが面接のバーチャル化です。面接が電話やTV会議で置き換わりつつあるということです。外資系エージェント、マイケルペイジによる最新のレポートによると63%がビデオ面接を導入とのこと。

新型コロナウィルス感染症に対する外資系企業の対応

 

もともと特に外資系企業では電話面接に抵抗がありませんでした。これは採用しているポジションの上司が海外にいたりして、以前から最終面接フェーズが電話で行われることが一般的だったためです。

 

これがコロナウィルスの影響により一次・二次面接フェーズにも浸透しそうな見通しです。

現に私の会社の中国オフィスではもう全ての採用面接をオンラインで完結させていると言っていました。これは現在の中国では当たり前なのだそうです。なんていうかすごいですね。

 

ただしここ日本でもバーチャル面接だけで内定・入社にまで結びつくようになるかは現状会社によりけりといった状況です。

 

というのも上記マイケルペイジのレポートを見るとわかるのですがオンボーディング(入社研修やその後の定着支援)もリモートで行っている会社は現状22%にとどまっているからです。

これは目下の状況でそもそも入社させられるのか?という問題が完全には払拭できていないことになります。入社研修のために出社させることになってしまいますから。

 

またエージェントや他の会社の採用担当に聞いた限りでは、やはりまだ一度も顔を見ないで採用することに抵抗感のある企業は多い印象です。つまりビデオ面接は拡大しているが、それが対面面接を完全に置き換えている会社とそうでない会社があるということです。


外資系特有の採用凍結

外資系企業の多くはちょっとした景気変動に敏感に反応し、すぐに採用活動を一時停止(ハイヤリング・フリーズ)します。

 

今回も既にかなりの数の外資系企業が採用の一部・または全部を凍結していまっているようです。上記レポートでも35%が現在採用を完全に止めてしまっているようです。一部凍結も含めればかなりの数にのぼるでしょう。

  

外資系勤務が長い方であれば常識ですが、これは彼ら本国の意向が影響しています。

特にアメリカや中国は日本より人材の流動性が高い、つまり解雇しやすい上に中途で採用しやすいマーケットです。再び人が必要になった時にも迅速に採用できます。

逆に言うと採用しすぎによる人員過剰を防ぐためすぐに採用を一時停止してしまうわけです。 

 

一番恐ろしいのは景気後退への突入

とはいえ一定期間をもってこの騒動が収拾に向かうようなら転職希望者にとってそれほど問題ではありません。転職市場は半年後には正常化とは言わずとも、一定の求人ボリュームが戻ってくるでしょう。

 

やはり一番恐ろしいのはこれをきっかけにリーマンショック後のような長期的な景気後退局面に突入することです。

IMFが14日公表した内容によると、来年2021年の世界全体の成長率をプラス5.8%と予測しています。このケースでは今年4〜6月期が最悪期で、その後は持ち直すということです。ただし同時にIMFは21年にコロナが再流行するなど別パターンの予想も立てており、これらはどれだけコロナの封じ込めに成功するかによるとしています。

 

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悪いシナリオが現実となった場合、向こう数年にわたって採用市場に影響が出る可能性があります。こうなると長期のキャリアプランに影響が出てくる恐れがあります。

 

特に40代以降のミドル・シニアマーケットは厳しい展開になる可能性があります。一方でここ数年の日本の人手不足を牽引していた理由のひとつは少子高齢化ですから、特に若手向けの求人は比較的早めに回復すると思われます。

 

いずれにせよ今回の騒動が早期収拾に向かうと良いのですが・・・。

 

関連記事です。もし長期的な不況に突入してしまった場合、やり過ごす戦略を考える必要があります。

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