久々の更新になります。
諸事情で1月からずっととんでもない繁忙状態になってしまい、夜も週末もひたすら働く感じになっておりサイト更新まで手が回らず。
今回この多忙を極めた状況を経験する中で、改めてジョブ型の難しい面を実感しました。それっはジョブ型の会社は人員の融通がきかないということです。
ジョブ型は人員の融通がきかない
私が現在勤めているのはまさに典型的ジョブ型雇用の外資系企業の人事なのです。ジョブ型の会社においてチームが業務過多になったときにそれを解消するためには基本的に3つ方法があります。1つは業務量をどうにか減らすこと、2つ目は業務を効率化すること、最後が外部からのリソースを確保することです。
業務過多なときに、役割分担があいまいなメンバーシップ型の会社だと、「人事総務部」みたいな部署の中でそのとき一番忙しい業務に比較的柔軟に人を回すことができます。
ところがジョブ型の場合、たとえば人事のなかでも採用・研修・労務といった具合に細かく専門職種に分かれてしまっていて、その垣根を超えてフレキシブルに人をアサインすることがしづらい。
変なはなし、人事の中でヒマにしている人がいても「その人をちょっと借りる」というようなことがしづらいのですね。
同じ人事でも採用担当と研修担当はある意味全く別の仕事として扱われます。だから同じ人事の中でも別の仕事をやりたいと思えば正式な手順を踏む必要があります。
だからジョブ型の場合、そのときの業務量に応じて機動的に人員の増減をできるようにする必要があります。日本の場合、正社員の解雇規制が厳しいためそれは必然的に派遣・契約・請負といった形態になります。
これが後手に回ると既存メンバーがとんでもなく忙しくなります。まさに私が今そんな状況で、ジョブ型のマネージャーとしては非常に良くない例なのですが、まぁ思うように人員補強が進まないというのは管理職の誰もが抱える悩みでもあります。
それでもジョブ型への移行は進んでいく
ジョブ型のネガティブな面について書きましたが、それでも私は日本社会全体にジョブ型移行していくべきだと思いますし、実際に移行が進んでいくと思います。
これは日本の大企業がグローバル化していくに従って、グローバルな人事制度の主流であるジョブ型を受けれざるを得ないからです。逆にジョブ型を導入しないと、いつまでたっても日本の本社と海外現地法人の間で異なる人事制度が併存することになり非効率です。それに海外現法からの人材登用において問題がおきます。
そして大企業がそうなれば中小企業も追随するでしょうから、最終的にはジョブ型への大きな転換が進むのではないしょうか。それにどれくらい時間がかかるかは分かりません。
先日日本を代表するような財閥系企業の方々とお話しする機会があったのですが、そうした会社でもすでにジョブ型に移行しているところもあれば現在も国ごとに完全に人事制度がバラバラになっている会社もあると聞きました。
ただもともと医療機関などでは医師・看護師といった専門職によるジョブ型雇用になっています。また一部のメーカーは理系に限ってほぼ異動を強制されない半ジョブ型みたいになっているケースもあります。そう考えると思ったほどは時間がかからないかもしれません。