今回は転職市場でたまに出会える変わり種外資系ポジションを2つほど紹介したいと思います。
どちらも数としては多くないのですが、マーケットバリューを飛躍的に向上させられる可能性があるのでチャンスがあればチャレンジしてみても良いかもしれません。
1外資の日本法人立ち上げポジション
日本自体が人口減になってしまっているため年々減っているんじゃないかと思いますが、いまでも時々、外資系企業の日本法人立ち上げフェーズの求人が出てきます。
これはある意味で外資系企業とスタートアップ企業の両方の性質を合わせもった求人です。
うまくいけば若くして経営に関与することができたりするなど、キャリアをジャンプアップできます。実際、過去に面接した方のなかにもこういうポジションでとんとん拍子で出世して30代で社長になったケースも拝見しました。
またこのパターンでは通常すでに他の国で成功したビジネスモデルがありますので、自分でビジネスモデルを考える必要がありません。既存のモデルをどう日本で展開するかがポイントで、その際に会社員として培った経験が役立つことも多いように思います。
もちろん外資なのでベンチャーのように自分でなんでも決められるわけではありません。親会社が過度に介入してきてうまく立ち上がらなかった事例も聞きます。それでも一度経営者やそれに近い役割で経験を積めるのは面白みがあると思います。
ちなみに立ち上げフェーズになるとかなり本国側とのコミュニケーションが必要になりますから、その分けっこう高めの英語力は求められます。逆にいえば英語力のハードルがある分、日系スタートアップ界隈のマネジメントポジションより内定を得たりポジションを得るための競争は少なめかもしれません。
またこのパターンは撤退リスクという問題があります。外資系日本法人は結構簡単に日本から撤退してしまいます。会社がなくなってしまうリスクの有無という意味ではベンチャー・スタートアップも同じです。ただし外資のばあいたとえ日本がうまくいっていても本国の事情で撤退を余儀されなくなることがあるので、その覚悟は必要ですね。
2M&A後の統合フェーズのポジション
もうひとつ、これもたまに出てくるのが外資系企業による日本法人やジョイントベンチャーの買収や、その後の統合フェーズのポジションも一般的な外資系にない面白みがあります。
この時期の会社はたいていかなりの混乱状態にあり、希望退職による人員の入れ替えや買収元への不満によるクーデターや炎上など色々な修羅場があるのですが、そのぶん結構上層ポジションに穴が空きやすいです。いきなり上級管理職が辞めたりするんですね。こういう混乱に乗じて(?)一気にポジションアップを狙ったりといったことがしやすいです。そういうのを楽しめるタフな方にはおすすめです。
また統合フェーズののポジションで特に旨味が大きいのが経理・財務・人事・法務などの管理部門です。既存の会社を買収した会社の制度や仕組みに合わせるための様々なチャレンジがあります。なかなか難しい仕事なのですがその分非常に独自性のあるキャリアを形成できますし、いわゆるポスト・マージャー・インテグレーション(買収後の統合)関連の経験をつめればそれは外資以外でも活用できます。