キャリアについてのよしなし

MBAで元エージェントの外資系採用マネージャーがキャリア形成の戦略と定石を解説します 毎週木曜を含む週1〜2回更新

アフターコロナのフェイストゥフェイス、私たちはどこに住むべきか?

都市部から郊外への移住がトレンドになっているようです。

"新型コロナの感染拡大がはじまってから、あっという間に2020年が過ぎていきました。その中では新型コロナがライフスタイルや社会に与えた影響やその変化も数多く取り上げられました。

その一つに「新型コロナの感染拡大によるテレワークの拡大や自粛による外出機会の減少、広い家などのニーズによって郊外に住もうと考えている人が増えている」というものがありました。"

"このように、賃貸、マンション、戸建てそれぞれ傾向は若干異なるものの、住む場所の関心がより郊外へ向き始めていることはデータの面からも実証されたといえるのではないでしょうか。"

住みたい街は本当に都心から郊外へ? 新型コロナがもたらした変化をビッグデータで検証 - Corporate Blog - ヤフー株式会社

こういう社会的なトレンドとか流れみたいなのを見るのは単純にとても面白いですね。

 

 

東京はいい加減人口過多な感じがあり、都内はどこも家賃が高くてしょうがないですからこれ自体は良いトレンドですね。

 

またリモートワークも、進捗は遅いながらも着実に定着してきているように思います。これも良いことだと思います。

 

なんですが、

  • 今後人口の少ない郊外への移転が継続的なトレンドとして定着するか?
  • オフィスで働く人の大半がリモートワークに移行するか?

といえば、私は多分どちらについても答えはNoになると思います。

 

理由は単純で、最近つくづく人は対面が好きなんだと実感するからです。私自身は現在ほぼフルリモートですが、たまにオフィスに用が都内に出ると場所を問わず本当に人がいます。

 

政府のメッセージングがよくないとか色々言われていますが、それでも曲がりなりにも緊急事態宣言が出ていて、当然コロナにかかるリスクもある中でこれだけ人が出てるわけです。

 

当然コロナ怖いし家に篭りたい、あるいは人と会うのは苦手だという人も一定数いるわけですが、それと同時に人と直に会いたい人がめちゃくちゃいる。

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そもそも考えてみればIT・ソフトウェア系の産業なんかは(インフラ系を除けば)コロナ前からリモートで仕事ができたはずなのですが、にもかかわらずシリコンバレーはずっとこの産業の集積地として規模を拡大してきたわけです。

 

要するにはこれは人が物理的に集まっていること自体にやはり何らかの価値があって、それはリモートでは満たすことが難しいものなのでしょう。

 

ではそれは何かいえば、やはり人的資本の外部性、つまり人間が集まってお互いに刺激し合うということに尽きると思います。この点は以前も論じました。

"人的資本の外部性とは何かというと、要するに進学校にいると周りが勉強するからそれに刺激されて勉強するようになったり、刺激を受けて自分も知的関心が高まる(その結果経済的な恩恵を得られる)みたいな、環境が人に影響する力のことです。
イノベーション職種というのは知識職なので、こういう知的刺激・知的関心を得られるかどうかが将来の市場価値にもろに影響します。
なのでイノベーション職種の人はたとえば- 凄い技術者との"リアルな"出会いや交流がある- 先端技術に関する勉強会やセミナーに参加しやすいといったチャンスを得られるという、それだけの理由で都市部にいるべき理由になります。"

 
これはやっぱり(少なくとも今の技術では)リモートだけでは代替できない価値なんだろうと思うんですね。

 

さすがに都心に人手が多い理由は人的資本の外部性が全てです!とまで言い切るつもりはありませんが、「人に直接会いたくてしょうがない人たち」の中に、こういう直接合って得られる刺激というのをすごく重視している人たちがいるのは間違いないでしょう。

 

今後リモートワークは一定の定着を見せるでしょうし、育児・介護と仕事をバランスさせたり、住環境を重視する層のニーズに応えたりという形で選択肢の一つとして定着するかなと思います。

 

しかし一方でおそらくフェイストゥフェイスのミーティングも残り続けます。それでコロナ禍がひと段落した段階で対面の価値みたいなものが見直されるタイミングがきて、またどこかで東京への一極集中トレンドが再開するというのが私の予想です。それがいいことかどうかは分かりませんが。

 

いずれにしても前々から書いているように住む場所を決めるというのはキャリア形成戦略上とても大事なことですので、今後トレンドがどういう方向を向くかは注意していきたいですね。

 

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