キャリアについてのよしなし

元エージェントの外資系採用マネージャーがキャリア形成のセオリーを解説します 毎週木曜を含む週1〜2回更新

転職の決断に迷うとき、考えるポイント3つ

転職の決断に迷うとき、何を考慮して決めればいいの?年収は仕事の満足度に2%しか影響しない?


今日はライトなネタですが、ハーバードビジネスレビュー英語版のウェブ記事から、 "Before You Agree to Take on New Work, Ask 3 Questions (新しい仕事への転職を決める前に、3つの質問を自分に問いかけてみよう)” という記事を取り上げて議論してみたいと思います。

元記事はこちら。

Before You Agree to Take on New Work, Ask 3 Questions

 

転職の決断前に考えておきたいこと3つのポイントとは

今回取り上げる記事(Before You Agree to Take on New Work, Ask 3 Questions)の筆者、Regal Walshさんが言うには、転職前に自身に問いかけるべき質問は以下3つだそうです。

  1. 自分のモチベーションは何か?
  2. (その仕事は)自分の価値観と合致しているか?
  3. 自分には選択肢があるか?

詳細は元記事を見て頂けるとありがたいのですが、ではなぜこの3つの点が大事なのか?ということを元キャリアコンサルタント・現採用マネージャーという立場から少し考察したいと思います。

 

①自分のモチベーションは何か?

元記事によれば、お金はその人の仕事の満足度に2%しか影響しないそうです。

 

従って好奇心や達成感などによる本質的なモチベーションにドライブされていることが重要だと筆者は説きます。

 

特にプログラマーをはじめとしたイノベーション職種だと、技術への好奇心といった内発的動機づけが一流になれるかどうかを左右します。

 

お金はたしかに大事です。とにかく年収アップしたいという動機で転職活動を始める人も多いですし、それは否定しません。

 

ただし転職先を比較検討するにあたってお金を1番のプライオリティにすることには転職失敗の危険が伴うことは認識しておくべきでしょう。

 

日頃からマーケットバリューを高めておき、年収に拘らずとも充分に満足できる水準の年収を自然と得られるのが理想ですね。

 

十分に高いマーケットバリューがあるので普通にしてれば年収1000万位得られるから、モチベーションで仕事を選ぶ、みないなイメージです。

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②その仕事は自分の価値観と合致しているか?

自分の価値観と合わない仕事をすることがいかにストレスになるか。

この点を分かっている人は案外少ないものです。過去私が接した方の例を挙げて説明しましょう。

 

その方はアラサーの医療機器のセールスでした。仕事にはやりがいを感じており待遇にも大きな不満はなかったのですが、人づてで同業の大手メーカーから引き合いがあり100万円近い年収アップを見込めることから転職しました。

 

ところがこの会社が他社と大差ない製品を医師への接待攻勢で何とか買ってもらったり、無理やり代理店に引き取らせたりするような営業方針。

 

結局1年としない間にこの企業の方針に疲弊して退職してしまったのですが、そこではじめて「世の役に立つ・必要性の高い製品を売りたい」という価値観が明確になったといいます。

 

かくいう私もIT企業の採用担当をしていた時、その会社の育成をあまり考えない企業方針のために採用した人がバンバン辞めてしまうことに嫌気がさし、2年で退職する一因になったという苦い記憶があります。

 

以前もお話しした通り、転職する方を見ていると「自分が何を大事だと思っているのか」に対して無自覚なことが多いものです。

 

これは多くの人が他の人も自分と似たような価値観を持っているだろうという誤った思い込みを持っているため、自分の価値観の独自性に気づかないためでしょう。

 

そこで、

  • 過去の自分の様々な選択をたなおろしする。自分が何を大事に意思決定してきたのかを振り返る
  • 自分が過去強く意欲を感じていた瞬間を振り返る。その時自分が何にドライブされていたのか思い出す

といった作業を通じて価値観を明確にすることが有効です。


③自分には選択肢があるか?

最後に、「全ては義務ではなく、自分には選択肢がある」感覚を持っていることが大事なんだそうです。

 

これ同調圧力が強いとされるせいか、日本人にはすごく欠けがちな感覚だと思います。

 

特に真面目な性格の人やプライドの高い人がミスマッチな会社に入ってしまったときに陥りがちな心理として、
「短期で離職するのは忍耐が無さすぎるような気がして絶対にできない」
「入ってすぐ辞めるなんて周りに迷惑をかけるようなこと、絶対にできない」
「3年も持たずに退職するなんて友人や家族にどう思われるのか分からないから絶対にできない」
…みたいなのがあって、これは気を付けないと潰れてしまいます。

 

以前のエントリーで書いた短期離職カードの観点から、もし転職失敗して短期で辞めることなっても自分のマーケットバリューが大きく毀損しないと判断できるなら、転職時のリスクは多少大きくとっても大丈夫です。ドンといきましょう。

 

 

逆に、短期離職カードがないとか、家族の事情なんかで今の選択肢が少なすぎると感じるなら無理に転職せず踏みとどまるべきです。

 

 

この「選択肢がある」というのはこのサイトで掲げる「自由度の高いキャリア」と同じことです。

 

キャリア形成の基本戦略に則って適切な土俵を選びマーケットバリューを高めるといった行動を繰り返すことで必然的に多くの選択肢を持てるようになります。がんばりましょう。

 

 

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