キャリアについてのよしなし

MBAで元エージェントの外資系採用マネージャーがキャリア形成の戦略と定石を解説します 現在は不定期更新

40代・50代が転職で合格しやすい求人・しにくい求人とは

転職でオーバースペックで不合格になるのはなぜなのか

現在、おおやけに年齢制限をかけて募集することは禁じられています。しかし実際にはどの企業も「だいたいこれくらいの年齢帯で採用したいな」というイメージを持っています。そのイメージから外れた人が応募しても合格する見込みはまずありません。

ではそういう求人をどうやって見分けたらいいのか?今回はそれを解説します。

40代・50代が通過しにくい求人とはこういうやつ

ちょっと具体例を見てみましょう。

業種:自動車部品メーカー

【必須】

・何らかの営業経験3年以上

この求人に、自動車部品での営業経験20年の43歳が応募するとどうなるかというと、多分不合格になります。

営業経験3年以上の求人なのに、20年の経験者が応募して不合格になるなんておかしいですよね。ではなぜそうなるかといえば、実際には求人票には書いていない募集制限があるからです。

たとえば上述の「営業経験3年」という募集であれば、企業側が採用したいのは20代〜30代前半までの若手です。

本当は募集年齢〇〇〜〇〇歳と記載したいところ、コンプラ的に難しくなってきているのでこういう記載の仕方をします。

この手の募集に豊富な経験をもつ中堅・ベテランが応募しても募集側の応募意図と合わないので不合格になります。人材採用においては「大は小を兼ねない」からです。

こういう理由で不合格になることをエージェント界隈では「オーバースペック」などと呼んでいます(英語だとOverqualified)。

40代・50代でも通過しやすい求人の例

逆に40代以上が合格する求人というのはどういうものかというと、

業種:自動車部品メーカー

【必須】

自動車関連の法人営業経験7年以上

【歓迎】

Tier1部品メーカーでのご経験

理系バックグラウンドをお持ちの方

顧客・工場側・営業事務など社内外・幅広い関係者とのコミュニケーションを取ることに長けている方

というふうに、要件が結構細かく指定されているタイプのものです。企業が40代以上を採用するのは通常即戦力を期待してのものになりますから、これは文字通り「即」戦力になるのはこういうタイプですよ、と説明してくれているようなものです。

*上記の7年というのは単なる例で、要するに「結構しっかりした経験者が欲しい」というニュアンスが感じ取れるかどうかです。

その会社の採用イメージを読み取ろう

こんなふうに、求人票にはさまざまな形で「その会社がどんなイメージの人を採用したいと思っているか(いわゆるペルソナ)」に関する情報が隠されています。

 

たとえば私が求人票や広告をつくる場合、人物イメージによって文体やイメージ写真なんかも変えます。

(余談ですが、大手採用広告会社にいた元同僚が「ものすごく綺麗な女性の写真を載せると中年男性の応募が増える」「若手男性はむしろ親しみやすい感じの女性の写真が効果がある」と言っていました。真偽不明ですが・・)

そういうイメージを読み取って、自分が合致していそうかどうかを読み取っいくと、選考通過率を上げることができます。

 

また仮に自分が想定される募集イメージと多少ズレていても、職歴書(レジュメ)の内容・表現を多少調整したり、面接での話し方を少し変えることができるので合格に近づきやすくなるでしょう。

 

とはいえあまり不合格を怖がりすぎてもダメなので、このあたり自信のない方はエージェントなんかと相談しながら進めていくと良いと思います。

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