この10年位でリファーラル採用という言葉がずいぶん一般化しました。昔は主に外資系企業が使ってましたが今は普通に日本企業でも使われているのを見かけます。
これは要はその企業に在籍している社員からの紹介による採用です。すなわち縁故という言い方もできますが、縁故というと新卒時に大手企業にお偉いさんのご子息ご息女が裏口入社するといった、血縁による就職・転職のイメージが強いですね。
昨今いわれているリファーラル採用の場合は血縁はといません。友人や学生時代の先輩後輩、元職場の同僚といった様々なパターンがあります。
またリファーラルという用語はもっぱら中途採用に使われるのと、とくに紹介者の会社での地位には関係なく紹介が行われる点が縁故とちがう点かと思います。
ちなみに会社によっては社員紹介経由で採用が決定すると、紹介者(社員)に、あるいは紹介者と応募者双方になんらかの報奨金が支払われたりします。
(もう10年くらい前ですけど当時ゲームで伸びてたグ●ーが200万払うみたいな話が有名になりましたね)
今日はこのリファーラルを通じて転職することのメリットデメリットを解説したいと思います。
リファーラルのメリット・デメリット
リファーラル採用には2パターンあるので、それぞれメリット・デメリットを整理してみましょう。
1. 普通の紹介パターン
一つは純粋な紹介パターンです。利害関係のない友人知人から自分の会社に応募すれば?と誘われるのがこれです。
メリットは非公開求人に応募できる可能性があることです。
会社によっては一部求人をリファーラル採用に限定していたりするので、そういう求人はいくらエージェントをつついても出てきません。
また場合によっては選考が多少有利になります。
会社によっては社員紹介経由の場合、選考でゲタを履かせることを明言しています。またそうでなくても知り合いに紹介されれば断りづらい心理になるのは容易に想像できます。
また社員紹介経由ならリクナビなどの広告媒体経由やエージェント経由のときとくらべてその会社のより突っ込んだ内情を知ることができます。
さらに新しい職場に既に知り合いがいるのは心理的にもかなり安心できます。
このようにメリットは大きいですが、内定辞退したときに気まずくなることもあるのでこれはデメリットといえばデメリットです。
紹介者としては良かれと思って自社を紹介してくれたのですから、それを断るとその人との関係が微妙になるかもしれません。
2. 上司からの引き抜きパターン
もう一つは元上司からの引き抜きパターンです。現場に強い人事権が与えられている外資でよくみられるパターンで、場合によっては同じチームから複数名、あるいはチーム丸ごと引き抜きによって動くケースも見られます。
このパターンのメリットは、当たり前ですが入社時点で上司がわかっていることです。以前その上司と良い関係・良いケミストリーがあったのであれば転職先でもその再現を期待できます。
デメリットは引き抜いてくれた上司が異動したり退職したりしたとたんに後ろ盾を失ってしまうことです。
またこのパターンで転職した人の話を聞くと、妙な色眼鏡で見られてしまい社内政治に巻き込まれてしまいがちのようです。
そんなわけで個人的にこのパターンはそんなにお勧めしません。特に現職に不満があるときに信頼している元上司から声がかかるとついて行きたくなるのが人情ですが、一度立ち止まってその企業やポジションを冷静に判断すべきだと思います。
人脈の有効性
これは前にも書きましたが、人脈が仕事での価値を生みやすい職種とそうでもない職種があります。
そうした中で、リファーラルによって新しい仕事に出会う可能性がひらけるのは職種を問わない人脈の有効性だと思います。
特に「30代以上でもキャリアチェンジを実現する3つの方法」の記事でもお話ししましたが、年齢が上がってくると全く経験のない仕事に就くのは難しくなりますが、それが例外的に実現しうるのがリファーラルです。そういう意味で人脈はあったらあったでキャリアにプラスに働くこともあるのです。
ただし昨今は転職をサポートするサービスも山ほどあります。これが90年代とかならともかく、いまは人脈がなくても十分に良い転職活動をすることは可能です。
ネットワーキングが苦手な人が、転職の布石とするために無理に人脈づくりに邁進する必要はないと思っています。