キャリアについてのよしなし

MBAで元エージェントの外資系採用マネージャーがキャリア形成の戦略と定石を解説します 現在は不定期更新

転職・キャリア相談募集します

このサイトでは就職・転職・キャリアに関する相談・質問を募集しています。

 

それで今回、当面は全てのご質問に回答することにしました。なお相談・QAコーナーへの記事化は承諾をいただいた場合のみ行いますのでそのあたりはご安心ください(記事化を望まれない場合は記事化しません)

www.career-yoshinashi.com

 

たまにご相談に乗ることで私も色々調べものをしたりして勉強になることも多いですし、あとなにせもとエージェントなのでこれが好きなんですね。

 

ということでお待ちしております。学生さんからの就職関連のご相談もウェルカムです。今年はなかなか悩ましい就活になりそうですね。

 

さて本日は本業が立て込んでいるので、ひとまずこのへんで。本来年末は採用があまり動かない時期なのですが、最近採用以外の仕事が増えていてちょっと忙しいですね。

 

このところコロナの状況があまり宜しくないですが皆様もお気をつけてお過ごしください。

 

エージェントを紹介するときのポリシーについて

いずれ別記事にまとめますが、転職エージェント(人材紹介)は基本的に個人商店型のビジネスなので会社としての良し悪しの前に、担当者の当たり外れや相性が強く出ます。なのでお勧め度を★5つで採点、みたいな形式にはしていません。

 

ただし会社のシステム、つまり評価制度やインセンティブ設計によって傾向が出てくるのもたしかです。そこで様々なルートから得た情報や、採用担当としての一時情報を総合して、そういう【傾向】をなるべく伝えたいと考えています。

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なお一部の紹介会社にはアフィリエイトリンクをつけてますが、アフィリエイト可能な会社だけを優先したり贔屓したりするような紹介の仕方はしないことにしています。

 

アフィリエイトの可否をとわず、私自身がちゃんとどういう会社か理解していて、本当につかう価値があるなと思ったエージェントをお勧めしたいと思いますし、「こういう人は向いてない」みたいなある意味ネガティブなこともちゃんと書きたいと思っています。

 

仮にも専門家を名乗っているわけですし、読んで頂いた方に信頼されることは大事にしたいですね。それにはお勧めした会社を使ってくださった方が使ってよかった、自分にマッチしていたと思っていただけることが大事です。

 

その点、このサイトは企業運営ではなく、私という個人が趣味でやっているものなので利益を追求しなくてすみますし、個々のエージェントについて思ったまま書けるのはいいですね。私はもともとこの業界出身者ですし、ある種の愛情を持っていろいろなエージェントをご紹介していければと思っています。

8月はサボる月でもよくないですか(雑記)

冷房病というのは自律神経失調症の一種なんだそうです。

 

内外気温差の激しさに対応するために自律神経が消耗し、結果体調不良になる。その理屈なら暖房病というのがあっても良さそうなものですが、こちらはあまり聞きません。

理由はわかりませんが、おそらく冬の寒さについては暖房だけでなく着込むことでも対応するために自律神経がそこまで消耗しないのでしょう。夏の暑さへの衣類の増減による対応には限界がありますから、その分どうしても冷房に頼らざるを得なくなります。

 

毎年8月は具合が悪い

前置きが長くなりましたが私は極度の冷房病体質で、夏は毎年具合が悪くなります。良く寝られないので常にボンヤリしているし、食欲も低下します。特に8月の暑さは毎年鬼門です。

 

そんなこんなで私の場合もう8月についてはなかば諦めていまして、最低限クビにならないだけ仕事して、秋〜冬のパフォーマンスで取り返すことにしています。

本当は通年で安定したパフォーマンスを発揮できれば一番良いのはわかっているのですが、どうもうまくいかないので最近はもう開き直っています。

 

幸い多くの会社において採用部門というのは8月というのはわりと閑散期で、新卒採用は夏インターンくらいしかありませんし中途採用も夏はキャンディデートがあまり動きません。

ウチがお世話になるような外国人エージェントの皆さんも例年は里帰りととかバケーションとかで結構休んじゃっててちょっと進捗が間延びしがちです。

 

マーケットの方もそんななんで、こっちも結構ガッツリ2週間くらい休んでしまって旅行行ったり家の片付けをしたりしています。ただ今年はこのような状況ですし、仮にも私も人事部門の管理職なので万が一を考えて旅行にも行かずに巣篭もり消費に勤しんでいます。

 

もっと気候に合わせて合理的に働いてもいいのでは

スペインのシエスタは本来夏の日差しの強さを避け、サーカディアンリズムの低下する昼下がりの時間帯を休息にあてるという気候に対する合理性のある生活習慣なのだそうです。中東にも同じような習慣があります。

 

なんだかいつの間にか1年中9時〜18時のオフィスアワーで働くという習慣が世界中で当たり前のものとして受け入れられていますが、これ別に当たり前にしなくても良くないかなと、毎年夏になると思います。夏に長めのバケーションをとって、かつ7〜9月あたりはちょっと労働時間も短めにしてしまって、春秋にその分長く働くとか。

 

気候っていうのはコントロールできないものだし、それに対して人間の意志力を費やしすぎなのではないかと思うのです。

今年の欧米人の夏休みの風景

ところで今年は欧米人のみなさんも思うようにバケーションとれていないようです。ウチの会社の欧米法人の人たちも近所の実家にいくとか、せいぜいハイキングにでかけるくらいで、ちょっと「映えない」感じの過ごし方の人が多いですね。

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当たり前ですが飛行機にのるような旅行に行ってる人なんてぜんぜんいません。そりゃエアラインの経営も傾くよなとつくづく思います。

 

私は昔から遠出が好きなので早くコロナ禍が治って欲しいと思っています。

 

失業時の気持ちの落ち込みを乗り切る科学的な方法

失業してしまった時の気持ちの落ち込みをどう乗り切ったら良いでしょうか。


世界恐慌の際に世界で初めて行われた「失業の心理的な影響」を調べた研究があります。

マリエンタールという街で行われたこの調査では、人々いかに失業によって無気力になっていたかが示されました。失業手当を受けている間、人々は時間の感覚を失い、将来への意欲を失ってしまったといいます。

つまり人間には仕事を通じて社会への参画、貢献しているという感覚が必要なことが示唆されたわけです。

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いまベーシックインカムなんかもしきりに議論されていますが、この調査結果からはベーシックインカムでは就労を通じた人間の尊厳は満たされないことになります。

 

さてこれは太平洋南西部に浮かぶ島国、ナウルの歴史と対比すると非常に面白くてですね、

ナウルは19世紀の最後の方にドイツの植民地になったあと、島全体にリン鉱石が存在していることが判明します。ナウルはサンゴ礁の島なのですがサンゴの石灰と海鳥のフンが結びついてできたリン鉱石が大量にあったわけです。

 

リンは化学肥料になるほか、食品の添加物になったりします。あと大昔に「歯が白くなる」ということでバカ売れした例の歯磨き粉とかに入ってる成分(ハイドロキシアパタイト)にも含まれます。海鳥のフンが最終的に歯磨き粉として人間の口に入っていくわけで想像すると気持ち悪いのですが、それはともかく。

 

ナウルは1968年に独立してリンを売ることでめっちゃお金持ちになりました。

"その結果、1980年代には国民1人当たりのGNP(国民総生産)は2万ドルにものぼり、それは当時の日本(9,900ドル)の約2倍、アメリカ合衆国(1万3,500ドル)の約1.5倍という世界でもトップレベルの金満国家に生まれ変わりました。
 医療費もタダ、学費もタダ、水道・光熱費はもちろん税金までタダ。
 そのうえ生活費まで支給され、新婚には一軒家まで進呈され、リン鉱石採掘などの労働すらもすべて外国人労働者に任せっきりとなり、国民はまったく働かなくても生きていけるようになります。
 その結果、国民はほぼ公務員(10%)と無職(90%)だけとなり、「毎日が日曜日」という“夢のような時代”が30年ほどつづくことになりました。”

ナウル、世界一の贅沢に溺れた国の結末:日経ビジネス電子版

 

ところがその後リンが枯渇してしまいナウルはいきなり貧乏になるのですが、それでもぜんぜんまともに働こうとせずに、難民受け入れをタテにオーストラリアからお金をせびったりとかかなり滅茶苦茶やっていて、このあたりの経緯はすごい面白いのでぜひ調べてください。

 

それでまあ、この話を知るとマリエンタールの調査結果と逆というか、人間は基本的に働きたくない生き物なのかなと思ってしまうわけです。

 

実際のところ労働に対して性善説と性悪説、どちらがただしいのでしょうか。

 

私の仮説はこうです。人間の就労意欲を決めるのは環境=社会のムードとシステムである、と。つまり世の多くが働いていると罪悪感を感じてしまって働かなきゃと思うし、失業手当を働けていないときのあくまで例外として給付するとその人の自己肯定感(セルフエスティーム)が低下する。

 

ところがナウルのようにみんな働いてなくて、生活費も当たり前のものとして支給されるなら自己肯定感は下がりません。それでみんな平気な顔でグータラするようになる。みんなやる気なくてサボりが横行している職場とか部活ってその状態に疑問を持たなくなりますよね。人間がいかに環境に影響される生き物かについての文献は枚挙にいとまがありません。

 

翻って日本社会はどうかというと、基本的にはやはり勤労が美徳とされるお国柄で、ついこないまで働き盛りの年代のお父さんが平日から住宅街をブラブラしていると白い目で見られるようなところだったわけですから、その就労への圧はなかなか強いものと思います。

 

それで失業期間中に自己肯定感を高めるための方法ですが、(生活が逼迫してなければ)たとえばいっそボランティアで働くのが良いと思います。

 

失業中にボランティア?と思われるかもしれませんが、失業による無気力は転職活動へのエネルギーすら奪いかねないですし、なによりボランティアは自分自身を高める意欲などが生まれることが指摘されています。

援助行動経験が援助者自身に与える効果: 地域で活動するボランティア に見られる援助成果

 

ということでもし失業してしまったら、転職活動とボランティアでボチボチ時間をつぶしつつ、あとはバナナとか卵とかの料理をつくって脳ミソにセロトニンを補給しながらリラックスして構えましょう。

本日は更新おやすみします!

こんばんは。

 

毎週木曜日更新の当サイトですがちょっと本業の採用業務の方が立て込んでいるので今週は一週間スキップします。

 

ウチは新卒はまだこれからなんですがたまたま中途や社内公募、さらに海外出張なんかが重なってしまってバタバタです。

 

採用は時々そういう風にいきなり繁忙になったりする仕事です。それを乗り切るのも楽しい面がないわけじゃないですけどね。

 

ウチも使ってますが昨今はRPO、プロセスアウトソーシングも進んでだいぶ繁忙期のバタバタを緩和しやすくなってきているのですが、それでも限界はあります。

 

今日あたり渋谷なんかでは仮装した人たちで溢れかえっているのでしょうか?

 

みなさま良いハロウィーンを!

リソースが制約されると、思考も鈍る、という話(雑記)

今週は夏季休暇を頂いてまして通常更新はお休み、旅行先でのちょっとした気づきについて書こうかと思います。

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昨年なかなか激務だったもので、今年はがっつりお休み頂いてヨーロッパに来ているのですが、そのヨーロッパ内の移動で生まれて初めてフライトキャンセルの憂き目にあいました。

 

もともと夜9:30発のLCC単距離便に乗る予定だったのですが待てど暮らせど搭乗が開始せず。

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結局離陸予定時刻の9:30を少し回ったところで

「到着予定地の悪天候のためフライトキャンセルになりました」

とのアナウンスが。飛び交う怒号

 

こうなると通常、

①荷物受取レーンでスーツケースをピックアップ

②入国カウンターで再入国

③航空会社のカウンターで振替便とホテルの手続き

という一連の流れが待っています。

 

ところがその航空会社の複数のフライトが一斉にキャンセルになったためか
①スーツケースピックアップ
の段階で1時間ちかく待たされ、

 

さらに
③振替便とホテルの手続き
のため航空会社のカウンターに向かうと、

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すでにすさまじい長蛇の列が。

 

列の長さと進行具合からざっと計算すると、3~4時間は待つことになる見込みです。この時点ですでに夜11時。

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さてこの一連の間、列に並んだりしながらスマホで調べてみたところ、

  • 実は飛行機の振替はその会社のHP上でできる
  • 同じ会社で振替ができない場合、自分で他の会社の便を手配してもOK。あとから代金の差額を請求できる
  • ホテルの手配もHP上でできる。LCCといえどホテル代は航空会社持ち。
  • 無駄にかかった食費なども請求できる(承認されるかは航空会社の判断)

ということが分かりました。

…あれ、ひょっとして列に並ぶ必要ない?

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さっそくその会社のウェブサイトにアクセスし、まずは宿の確保だ!ということでホテルの手配を完了。

 

つぎに振替便を見てみたところ、同じ航空会社ではすでに3日後まで空きがないことが判明!

 

あわてて他社の便を見てみたところ翌日11:30の便が空いていたのでそれを確保。


となりの人に「ネットでできるらしいよ」と教えてあげて11:30に列を離れホテルに向かうことができました。

 

このまま並んでいたら解放されるのは2時か3時にはなりそうだったのでぞっとしました。

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この経験で、つくづく思ったのですが、

「多くの人は、リソース(体力や気力や時間、お金など)を制約されると思考停止する」

んだなと。

 

実は3時間分の列をショートカットする方法というはわずか"1 click away (クリック1回分の距離)"に書いてあるわけです。また空港なのでネットもフリーWifiが使えます。


なんとかして列をショートカットする方法ないのかな、と考えて行動を起こしすればその情報を得ることができるのですが、

 

まぁみんな疲れてるし、イライラしているわけです。


そういう状況になると思考して打開策を探すより、大多数と同じ行動をとる方に流されてしまう。

 

そうすると少なくとも「自分だけ損する」状況は回避できます。


こういう心理は行動経済学とか心理学の分野では繰り返し説明されてきているのですが、その典型例を見た気がしました。

 

ざっと見たところ、状況打開のためになんらかアクションを起こしている人は5%くらい、あとの人達はただ漫然と並んでいるようでした。


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ちなみにこの心理というのは転職の場面、特にブラック企業にいる人にもよく見られます

 

合理的・客観的に判断すれば会社を辞めた方がいいんですけど、激務で思考が制約されてしまい、集団と同じ行動をとる誤った安心感を優先してしまう、みたいな。


まぁ転職は脳みそも身体も疲れますし、気持ちはよくわかります。実際に思考が制約されている中でその制約を外すのはなかなか難しいですね。


ただせめて人間(の脳)のそういうクセを知っておくとより合理的な判断がしやすくなります。このサイトでもそういった材料を提供していきたいですね。


今週夏休みの方も多いと思います。

良いお休みをお過ごしください!

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