今週は夏季休暇を頂いてまして通常更新はお休み、旅行先でのちょっとした気づきについて書こうかと思います。
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昨年なかなか激務だったもので、今年はがっつりお休み頂いてヨーロッパに来ているのですが、そのヨーロッパ内の移動で生まれて初めてフライトキャンセルの憂き目にあいました。
もともと夜9:30発のLCC単距離便に乗る予定だったのですが待てど暮らせど搭乗が開始せず。
結局離陸予定時刻の9:30を少し回ったところで
「到着予定地の悪天候のためフライトキャンセルになりました」
とのアナウンスが。飛び交う怒号。
こうなると通常、
①荷物受取レーンでスーツケースをピックアップ
↓
②入国カウンターで再入国
↓
③航空会社のカウンターで振替便とホテルの手続き
という一連の流れが待っています。
ところがその航空会社の複数のフライトが一斉にキャンセルになったためか
①スーツケースピックアップ
の段階で1時間ちかく待たされ、
さらに
③振替便とホテルの手続き
のため航空会社のカウンターに向かうと、
すでにすさまじい長蛇の列が。
列の長さと進行具合からざっと計算すると、3~4時間は待つことになる見込みです。この時点ですでに夜11時。
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さてこの一連の間、列に並んだりしながらスマホで調べてみたところ、
- 実は飛行機の振替はその会社のHP上でできる
- 同じ会社で振替ができない場合、自分で他の会社の便を手配してもOK。あとから代金の差額を請求できる
- ホテルの手配もHP上でできる。LCCといえどホテル代は航空会社持ち。
- 無駄にかかった食費なども請求できる(承認されるかは航空会社の判断)
ということが分かりました。
…あれ、ひょっとして列に並ぶ必要ない?
さっそくその会社のウェブサイトにアクセスし、まずは宿の確保だ!ということでホテルの手配を完了。
つぎに振替便を見てみたところ、同じ航空会社ではすでに3日後まで空きがないことが判明!
あわてて他社の便を見てみたところ翌日11:30の便が空いていたのでそれを確保。
となりの人に「ネットでできるらしいよ」と教えてあげて11:30に列を離れホテルに向かうことができました。
このまま並んでいたら解放されるのは2時か3時にはなりそうだったのでぞっとしました。
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この経験で、つくづく思ったのですが、
「多くの人は、リソース(体力や気力や時間、お金など)を制約されると思考停止する」
んだなと。
実は3時間分の列をショートカットする方法というはわずか"1 click away (クリック1回分の距離)"に書いてあるわけです。また空港なのでネットもフリーWifiが使えます。
なんとかして列をショートカットする方法ないのかな、と考えて行動を起こしすればその情報を得ることができるのですが、
まぁみんな疲れてるし、イライラしているわけです。
そういう状況になると思考して打開策を探すより、大多数と同じ行動をとる方に流されてしまう。
そうすると少なくとも「自分だけ損する」状況は回避できます。
こういう心理は行動経済学とか心理学の分野では繰り返し説明されてきているのですが、その典型例を見た気がしました。
ざっと見たところ、状況打開のためになんらかアクションを起こしている人は5%くらい、あとの人達はただ漫然と並んでいるようでした。
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ちなみにこの心理というのは転職の場面、特にブラック企業にいる人にもよく見られます。
合理的・客観的に判断すれば会社を辞めた方がいいんですけど、激務で思考が制約されてしまい、集団と同じ行動をとる誤った安心感を優先してしまう、みたいな。
まぁ転職は脳みそも身体も疲れますし、気持ちはよくわかります。実際に思考が制約されている中でその制約を外すのはなかなか難しいですね。
ただせめて人間(の脳)のそういうクセを知っておくとより合理的な判断がしやすくなります。このサイトでもそういった材料を提供していきたいですね。
今週夏休みの方も多いと思います。
良いお休みをお過ごしください!