今日は【キャリアップ】という言葉を題材に、転職を「転職して良かった」「成功だった」と言えるようなものにするためのポイントをご紹介します。
「キャリアアップのための転職」は失敗しやすい、そのたった一つの理由
転職活動の理由として、「キャリアアップのため」という理由を挙げられる方はとても多いです。
ところが個人的にはこれはちょっと危険なフレーズだと思っています。なぜならキャリアアップという言葉だと、転職理由としては抽象度が高すぎるからです。
そもそもキャリアップってなんでしょうか?
仮にキャリアアップ=年収UPだとします。この場合、もし同時に残業が山ほど増えてしまったらそれはキャリアップでしょうか?
あるいは肩書き(タイトル)が上がることだとします。この場合、最近はやりのフラット組織で大きな責任と自律性をもって働いている人と、肩書きはあるものの一見意味がないような調整業務や退屈な会議なんかが大量にある人、どちらがキャリアアップでしょうか?
なんとなく「キャリアップ」とだけ口にしていると、こういった質問に答えられません。ところがこういった質問こそが大事なのです。
キャリアップを超えて、価値観を定義しよう
なぜならこれらは自分にとって「キャリアで何が実現できていると幸せなのか(=価値観)」を定義する質問だからです。
自分の価値観が明確になっていると、仕事に対する満足度やモチベーション、生産性が高まります(*1)
一方でキャリアップという言葉は、ちょっと思考停止させてしまう面がある。
「キャリアップしたい」だけで立ち止まらずに、自分は本当は何が実現できるとハッピーなのか突き詰めて考えて欲しいのです。
就活の時は多くの人が自己分析をします。ところが一度就職したあとに自己分析をする人はとても少ない。
でも本来は就活したあともするべきです。個人の職務経験、転勤・転居、生活や家族構成の変化などを踏まえて定期的に自己分析し、価値観を明確にする。その上で転職活動をした方がいいです。
先ほどの例でいうと、「肩書きが上がる」のが自分にとって心から大事と思えるならそれでいい。そこが明確になってないまま、なんとなくイメージで「肩書きが上がるのはいいことだ」と思い込んでいると失敗します。
どうやって価値観を知るか
普通に就職活動用の自己分析本で問題ありません。先に断っておくと、自己分析は結構時間がかかります。エネルギーも使います。
ただその分ちゃんとやっておくと、失敗転職を予防できるので、それだけの価値はあると思っています。
また面接にも役立ちますから、転職活動の序盤に丸1日時間をとって自己分析をするといいですね。その後の転職活動が全然変わってきますので。
関連記事です。 自分の価値観を整理しておくことは幸福感のt
注釈
*1・・・「リーダーシップ・チャレンジ」ジェームズ・M・クーゼス (著)、海と月社