今日は中にいると分かる、外資系企業のネガティブな面について書こうと思います。それは国内の管理職ポジションの減少です。
これはなぜかというと外資系企業のアジア太平洋地域 Asia pacific、以下APAC)の本部が日本からシンガポールや香港などに移り続けているからです。
先日日経平均が30年ぶりに3万円台を回復したことが話題になりましたが、日本がAPACの本部としてメジャーだったのはそれこそ30年くらい前まで、以降は右肩下がりで減っているように思います。
そうすると何が起こるか。まず管理部門なんかはローカルの人数は少ないですから日本にはマネージャークラスか、良くてダイレクター、つまり部長クラスまでしか置けなくなります。
セールスなどの人数の大きな部門は多少マシですが、それでも上級管理職となるとシンガポールか香港での勤務が求められる。これがハードルになります。
しかもこれが日本に本部があったときは、逆にそのハードルに守られる形で日本人の昇進がしやすかったわけです。ところが国外の場合、ガチガチの中国人や韓国人のグローバルエリートとのゲタなしのポジション争いに勝たないといけなくなります。
これはかなりハードな競争です。しかも私の観察範囲ではたいてい日本人はアジア地域で一番英語に苦労しています。中国の人たちとか、本当に英語上手い人多いんですよね。
だから単に実力があるだけではダメで、英語でそれをアピールできないといけない。もうこの時点でこれがどれだけハードなことか想像頂けるのではないでしょうか。
そんなわけで、本来はそろそろ上級管理職にステップアップしてほしいマネージャークラスの人たちが、あるレベルで変に滞留して、中間管理職の渋滞を起こしてしまう。こういう外資系あるあるを目にした外資系勤めの方も多いはずです。
これ、外資系の人事ばかりが集まるイベントとかにいくと時々語られるテーマでもありますね。どこも抱えがちな問題なのです。
そのかわり、壁を抜けて上級管理職までたどり着いた人には漏れなく強烈なハードワークと引き換えのとんでもない高年収、ビジネスクラスのフライトやリッツカールトンといった高級ホテル滞在つきの出張などなど、アドレナリンが止まらなくなるような経験をすることができます。
この辺は価値観的にマッチするかどうかですね。
ちなみに個人的には、仮にそこまでハードな競争はやってられない、という人でもある期間だけ外資系で出世目指して頑張るのはオススメですね。
ゲタを履かせてもらえない、完全自由競争の中での生存競争はやはり良い修行になります。
また本気で出世を目指すと大変ですが、生き残るだけなら英語による参入障壁があるぶん、そこまで難しくないな、というのが私自身の感想です。それに本気の出世は難しくても単にマネージャークラスになるくらいなら入れ替わりが激しい会社が多いのでこれもそれほど難しくないですね。