外資系企業というと、どんなイメージでしょうか?給料が高い、すぐ首になる、英語が必要など人によってイメージは様々だと思います。しかし実際は一口に外資といっても様々です。今回は外資系企業を理解するためのヒントを解説したいと思います。
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【目次】
外資を理解するための2つの軸とは
私もやりがちなんですが実は外資系を一口に語るのは間違いです。就職先として個々の企業ごとの違いを理解するために大事なのは以下の2つの軸です。
①本社のある国(本国)がどういう環境・文化の国なのか
②本国のコントロールの強弱
それぞれ見ていきましょう。
①本社のある国(本国)がどういう環境・文化の国なのか
外資系企業は本社の縮小版のようなものです。厳密にいえば本国の縮小コピーを国ごとの法律に合わせてカスタマイズしたものが外資系企業の日本法人といってよいと思います。なので本国で一般的な人事慣行や労働法制を理解することが個別企業の理解に役立ちます。
ざっくりした傾向でいうと、
- アメリカ・中国系・・・解雇規制がゆるく、転職前提の人事設計になっています。「すぐクビになる」という外資系のイメージを作っているのはこのグループです。
- ヨーロッパ・韓国系・・・比較的解雇規制がきびしく、労働者側が強いことが多いですね。たとえばある欧州系の航空会社はその労働組合の強さで有名です。
もっと詳しく理解するためには個別の国ごとにどういう労働法制を調べると良いと思います。たとえばスウェーデンは国全体でフレキシブルな就業環境を強く推進していたりします。
なおこのどちらにも共通して言えるのは専門職志向の強さです。日本的な総合職の制度は日本独自のもので、他に同様の仕組みをもつ国はありません。外資であれば基本的に専門をまたいだジョブローテといった仕組みはありません。
またそれと関連しますが、個人個人の責任範囲の明瞭さも一般的な傾向といっていいと思います。職務記述書(Job Description)によって明確に職責を定義するというのは、日本を除いてほぼ世界中で共通しています。
②本国のコントロールの強弱
外資といってもわりと日本企業っぽい運営がされている外資系企業もあります。たとえばOpen workとかを見ると書いてあったりするんですが、たとえばCで始まる某フランス系有名ラグジュアリーブランドなんかはあまり本国から介入されていない、なんて話を聞きます。
このあたりは会社によってまちまちなのですが、一般的には日本法人の売上比率が高くその企業内での存在感が強いほど本国のコントロールも弱めになる傾向にあります。うまくいっているのだからあまり余計な介入はしないでおこう、というわけです。上記のフランス系ブランドもそんな感じです。こういった会社はかなり日系企業に近い形で運営されていたりします。
逆に本国のコントロールが強い社風の会社だと、本国での人事慣行をそのまま日本に持ち込もうとしますから、日系企業から転職するとかなりのギャップを感じることになります。
まとめ
まとめると、少々乱暴なくくりではありますが
・アメリカ・中国系 or ヨーロッパ・韓国系
・本国のコントロールの強弱(≒日本法人のプレゼンスの高 低)
の2×2の4パターンで分類することで、おおよそのイメージをつかめます。
とにかく外資だからきっとこうだろう、と思いこむのは失敗のもとで、Openworkなどの口コミサイトで個別の社風を見るとともに、その企業がどこに本社を持つ外資なのか、そしてその国の人事慣行はどんな具合かを調べておくとミスマッチを減らせます。
ということで次回ははじめて外資系企業に転職するときにつまづきやすいポイントを解説したいと思います。