前回の続きです。今回はメーカーからCROへの転職について、そのメリットを考えてみたいと思います。
私自身はメーカー・CROの間に上下を設ける見方はしません。いまやヘルスケア業界にCROはなくてならない存在です。メーカーとCROの違いは、あくまで業務の性質の違いだと考えています。
とはいえ一般的にはメーカーの方が人気が高いです。もっというとメーカーの方が格上という見方をしている人も多いです。
ではあえてメーカーからCROに転職するのはありなのでしょうか?するとしたらどのようなメリットがあるのでしょうか?
メーカーからCROへの転職、そのメリットは
まずそもそも向いている人にとってはCROの方が向いているケースがあります。
メーカーではキャリアの進展につれてより戦略的な能力が求められます。
一方でCROはより定型的なルーティンワークを正確にこなせることが大事です。
これは別の能力なのでどちらが偉いとか偉くないといったものではありません。
特定のスキル経験を積むための転職ならあり
もう一つ有効なのが、明確に獲得したいスキルがあり、CROへの転職でそれがかなうケースです。たとえばグローバルスタディーの経験をつむ、特定領域の経験を積むといった具合ですね。これらはメーカーの規模や強みとする領域に左右され、それらは合併・買収などが起きないかぎりはある程度固定的です。
したがって将来的にメーカーに戻ってくることを前提に、数年スパンでCROに転職するというのは今後有効なキャリアパスになるような気がします。CRO業界も徐々に成熟し、社員のトレーニングプログラムも年々充実してきていますから、自分が希望する仕事を担当できるという確約さえ得られていれば市場価値につながる経験を積むことができるでしょう。
キャリア設計は柔軟に
また実際にCROで働くうちに、自分自身じつはCRO業界そのものだったり、あるいはその会社が自分にとてもマッチしていると気付くケースもあると思います。その場合はそのままその会社にいればいいのです。このあたりは必ずしも当初のプランに固執せず、柔軟にいきましょう。
以前、新卒就活向けに書いたこの記事でも触れましたが、あるていどの具体性を持たせたテーマを追いかけつつ、実際のキャリア選択では柔軟にいく。これは満足度の高いキャリアを実現しやすいですね。考え方自体は中途でも同じです。フレキシブルにいきましょう。